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空/折 「request for you !」 


「甘い二人」ということで思いついたのが、またバカップルでした…。
ギャグです。

(ちょっと、明日あたりまた本文を直しにくるかもです…)


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


request for you !



 玄関のドアに内側から鍵を下ろすと、イワンはこの家の鍵をポケットに仕舞い、大事そうに服の上から手を当てる。
 半月ほど前にその鍵を受け取ったのだが、『これを持っていてくれるかな』と小さな銀色の金属を差し出されたときのイワンの慌てふためきぶりは、ちょっとした見ものだったし、首を縦に振るまでにはかなりの説得が必要だったほどだ。
 そう、ここは自分の家ではない。恋人の住まいだ。
「こんばんは」
 イワンが挨拶をするのは、恋人に対してではなく、彼の飼っている――いや、当人いわく《ソウルメイト》の大型犬に対してだ。
 タッタッ…と廊下に軽く爪の音をさせながらゴールデン・レトリバーのジョンはイワンを出迎えに来てくれた。
 いつもなら嬉しげに尻尾を振ってくれるはずのジョンは、なぜだか困ったような表情をしているように思えた。イワンの膝の裏に鼻を押し当てるようにして、奥へ行くようにと誘う。
「どうしたの、ジョン…って、え? キースさん、帰ってたんですか?!」
 ジョンに連れられて足を踏み入れたリビングでは、イワンの恋人であるキースが肩を落として座っていた。
 がっしりとした体つきのため《ちょこんと》とはさすがに表現しづらいが、それでもいつもより存在感も控えめに見える。
 キースはソファに腰を下ろしたまま顔を上げ、「やあ」とつぶやく。
 異例のことだ。これまでなら元気よく出迎え、イワンが照れようが、その両手が荷物で塞がっていようが、構わず抱き締めに飛んできたのに。
 イワンは小走りに近づくと、その足元にぺたりと座り込んだ。
「……どうかしたんですか?」
「ああ、すまない。ぼぅっとしていて、出迎えも……」
「そんなことはいいです。何があったんですか?」
 キースはずるりと尻を滑らせるようにして、ソファからずり落ちるとイワンと向かい合う形で床にしゃがみこんだ。
 ほんの少しキースの唇があいて、そのまま一秒ほど無音だった。
「……イワンくん」
「はいっ」
 この人が、躊躇いながら喋るなんてことが今までにあっただろうか。イワンは思わず、前のめりになって返事をする。
「きみは――」
 キースの視線が泳ぐ。
 イワンは彼の手に、自分の手のひらを重ねた。
「何でも言ってください」
「きみは、私のどこが好きだい?」
「……え?」
 イワンはぽかんとした表情になり、次の瞬間カァッと頬に血をのぼらせた。
「え?! あ…な、何ですか急に……どこって、そんな……あの、僕は……」
 キースに思いを寄せていた期間は、イワンのほうが長かったかもしれない。
 しかし、二人が晴れて恋人になったきっかけは、キースからの積極的なアプローチだった。
 イワンはといえば、『何かの間違いです』とか『僕なんかじゃふさわしくないです』などと幾度も丁重にキースを遠ざけようとして、それがいつか『でも』や『だけど』や『本当は僕も…』という言葉に変わっていったのだ。
 つきあって数か月を経過しても、まだ愛の言葉をささやくなどという芸当は習得していない。
 酸欠でも起こしたかのように口をパクパクさせながら、それでもどうにかイワンは脳の奥から回答を引っ張り出してきたらしい。
「ど、どこっていうか…あの、強いて言うなら、ぜ、全――」
「――『全部』は却下、そして却下だよ」
「え…っ」
 不意をつかれてさらにアワアワとするイワンの前で、キースはがくりと首を垂れた。
「やはり駄目だ! 私たちはお終いなのか!」
「え?! えっ、えええっ?!」
 キースの不吉な言葉に、イワンの赤かった頬がサァッと青くなる。
「ご、ごめんなさい! ちゃんとキースさんの素敵なところを上手く言葉に出せなくて…! でも、あの、そんなに嫌わないでください!」
「違うんだよ、イワンくん! 私はきみが大好きだよ! きみのすべてが! だからこそ、困っているんだ!」
 今度は天井を仰ぐオーバーリアクションをとりつつ、キースは語る。
「本当の恋人たちは相手の欠点を愛するというんだ!」
「……相手の、欠点」
 イワンはぽかんとした顔で、その言葉を繰り返した。


 キースの言い分はこうだ。
 二人が長続きするには、欠点を愛することができるかどうかなのだという。
 そんな人間関係の秘訣を聞き及んできたらしい。
 今日の昼間の話だ。
 キースは、アニエスと特番の打ち合わせをしていた。多忙なプロデューサーの携帯電話はたびたび鳴り出し、彼女は幾度かミーティングを中座した。
 中座といってもアニエスは打ち合わせのテーブルから少し離れて顔を背けて電話を受けていた。
 そこへ通りがかったファイヤーエンブレム――ネイサンが挨拶を寄越す。手持ち無沙汰だったキースと世話焼きのネイサンは世間話をはじめた。
「ねぇ、その後うまくいってるのぉ?」
「おかげさまで」
「あら、よかったわぁ」
 ネイサンが尋ねたのは、恋の進展についてだ。それというのも、今回のキースのアプローチを後押ししたのはネイサンだったからだ。
 以前、キースに気になる相手がいたときにも相談に乗ってやったのだが、結局相手の女性はある日忽然と姿を消してしまった。キースは明るく振舞っていたものの、ネイサンとしては自分がもっと発破をかけてやるのだったと反省していたらしい。
 今回も、キースがどことなくぼぅっとした顔つきを見せたり、ため息をつくのを聞いた途端、ネイサンはアドバイスを買って出たのであった。
 ネイサンが交際相手の詳細まで尋ねたり、逢ってみたいなどと言うことはなかったが、キースから順調だという報告だけは受け取っていた。
 自分には勿体ないくらいの素晴らしい人なのだと惚気るキースに、ネイサンは笑顔で相槌を打っていた。
 しかし、電話を終えて席に戻ってきたアニエスの第一声はこうだった。
「そういうの長続きしないわよ」
「えっ」「ちょっと何よ、いきなり」
 きょとんとするヒーロー二人に敏腕プロデューサーは言い放った。
 いわく、長所を好きな間は、その愛は本物ではない。ぶつかりあって、お互いの欠点が明るみになってからこそ、それもひっくるめて相手を深く愛することができるのだと。
「やれ美人だとか、仕事ができるとか、頭の回転が早いとかセンスがあるとか、そんなのはね、一度鼻につくようになったら毛嫌いするようになるのよ」
 心細そうな顔になるキースにアニエスは早口で告げた。
「ちょっといい女だと思ってお高くとまってるだとか、仕事ばっかりして二人のことを真剣に考える余裕がないとか、自分の脳味噌と感覚しか信じなくて心が狭いとか、ある日突然そんなふうに見えてくるわよ、絶対」
「……それ、アナタの実体験?」
 ネイサンが茶々を入れるが、アニエスは正面からキースを見据える。
「その人にも不満のひとつや二つ、あるでしょ」
「不満…かい? 特に思い当たらないなぁ」
「言い直すわ。直してほしいなぁってところとかあるでしょ」
「ないよ。心優しくて努力家で、頭もいいしとても美しい人なのに、驚くほど謙虚で」
「美人なんて眺めてるうちに飽きるのよ」
「それが、そうでもなくてね! 月の光が降り注いでいるような白銀の髪といい、新雪が積もった朝のような色の白い肌といい、宝石みたいな紫がかった瞳だって、ちっとも見飽きることがない!」
 キースが口走った恋人の容姿を耳にして、心当たりを覚えたアニエスはネイサンを肘でつつく。ネイサンは目を伏せてそっと首を横に振ったのだが、腕組みして目を閉じたキースはそんな二人の様子に気づくことはなかった。
「悪いところなんて見つからない! それがよくないとでも言うのかい?」
「……ま、まぁいいけど。でも、ぜんぶ長所にしか見えないってことは、いま現在、自分が平静じゃないってことですからね。覚えておくべきだわ。熱は冷めるって」
 鼻を鳴らすアニエスを眺めながら、キースはそういうものかな、と首をひねった。


 アニエスが自信満々に語った『相手の欠点を愛することができなければ、長続きしない』という予言に、キースは不安を感じたらしかった。
「それに、私はヒーローだ。いつでも平穏な心持ちで、冷静に事件に対処しなくてはいけないのに」
「キースさん……」
 首を折るキースの腕にイワンは手をかけ、心配そうな表情をみせる。
「床の上にいたら冷えてしまうね。座ろうか」
「あっ、はい」
 二人はソファに横並びに腰を下ろす。
「打ち合わせのあと、ずっと考えていたんだが…やはり私にはイワンくんの悪いところを探せないようなんだ。そこでお願いがあるんだが、普段からイワンくんは私より観察力に優れている。どうかきみから私の欠点を指摘してほしい」
「そんな……キースさんはいいところだらけです」
 前のめりになるイワンに、キースはふっと笑いをこぼす。
「そうか。イワンくんの美徳は、その控えめでみんなの個性を尊重してくれるところだったね。そんな優しいきみに欠点を指摘しろというのは酷な話だ。よし、それではこうしよう。きみの口から私の『好きなところ』を教えてもらいたい」
「えっ、えっ…」
「きっとその中には、一般的には短所となるような部分も含まれているはずだ。そのことを確認したいんだよ」
「わ、わかりました」
 困惑していたイワンだが、向かい合うキースが真剣なのを知るとコクリとうなずいてみせる。
 恥ずかしさから、しばらくは胸の前で手を組んでうつむいていたのだが、顔を上げると口を開いた。
「まず…やっぱり仕事熱心というか、NEXTの使い方の研究も日々努力されていたりだとか」
「それが、昼間アニエスくんが言っていた仕事ばかりして面白味がない人間だという話だね」
「違います! 僕だって見習いたいと思ってるくらいで! 仕事中のキースさんは凛々しくてステキだし」
「そ…そうか」
「あと、仕事じゃなくても困ってる人を見つけると放っておけないところとか、上辺だけじゃない優しいところとか」
「それを一般的にはお節介だと」
「言いません! キースさんの心の底から自発的に滲み出てくるのは、何ていうか…人間存在そのものへの肯定っていうか……点数稼ぎみたいな親切とは全然違いますから」
「そうかい? 何だか随分と深遠な話だね……」
 突如哲学的な雰囲気になるイワンに、とりあえずキースは別の点を挙げてくれるようにお願いする。
「そう、それから仕事のときの恰好よさとはまた違って、あ、年下の僕が言うと嫌味かもしれませんけど、プライベートでは可愛いっていうか…」
「可愛い?!」
「ジョンと一緒になって、ときどき泥だらけにまるまで遊ぶところとか、キッチンで一人で何かしてるときに歌ってるとか」
「う、歌? 歌なんて歌っているかな?!」
「よく歌ってますよ。スカイハイさんのCDの曲のときもあるし、CMソングとか、サビ以外は適当な歌詞にした曲とか」
「自分では意識していなかったよ……みっともないというか、子供っぽくて恥ずかしいな」
「いや、あの、そこがいいんですよ! 30分前までバリッと仕事していた人が、家で寛ぐときにちょっと隙を見せるっていうのが! そのギャップがいいんです!」
「ギャップ……」
「そうです、ドラマやマンガのキャラクターだってそうでしょう。物静かな人なのにいざ事件が起こると凛として謎を解明したり。逆に、普段はデキる人なのにひとつだけ苦手なものがあったり。『ギャップ萌え』ですよ、ギャップはあったほうがいいんです!」
 専門分野の話題を振られたコメンテーターのように、突然イワンは活き活きと語り出す。キースはうなずくのが精一杯だ。
「なるほど。ギャップはあったほうがいいわけか」
「あ、でも、ワザとらしいのはダメですから。キースさんはぜひ今のまま自然体で」
 イワンにビシッと人差し指を突きつけられ、キースはガクガクと顎を引く。
「りょ…了解した」
「それから……やっぱり、見た目も恰好いいです。俳優さんになれそうだし。ヒーロースーツなしでもTVに引く手あまたになりそうな」
「そんなことを言ってくれるのはきみだけだよ」
 しかし、とキースは首をひねる。
「イワンくんは格好いいと褒めてくれたけれど、この顔はどうにも…きみのような凛々しさが足りないというか」
「そんなことないです」
 イワンは首を左右に振りかぶる。
「目尻が垂れていてだらしないだろう」
「や…あの、か、可愛いです」
「何だか常に笑っているようで、何がおかしいんだと難癖をつけられたことも」
「ひどい。僕みたいのならともかく」
 何だって、とキースはのけぞった。
「まさか、きれいすぎるから夢中になった人達が寄ってくるということかい?!」
 とキースはショックを受けたように胸に手を当てる。
「全然そんなんじゃ…すれ違いざまに、何だその顔は、文句あるのかって時々言われます」
「その人達は人間を見る目がないのさ。私はきみを見かけると幸せになるよ」
「うう…そんな……」
「そうだなぁ。私は…自分では、この口も締りがないというか……」
「すごく可愛いです。ていうか、セクシーっていうのかな、大人の色気があります」
 えっ、とキースは思わず口元を押さえた。イワンから『セクシー』なんて言葉を聞くのははじめてだ。
「この上唇のぷっくらしたカンジとか…って、あ! うわぁ、ごめんなさい!」
 説明に熱心になるあまり、イワンは思わず指先でキースの唇に触れてしまっていたのだ。慌てて体を引く。
 ソファの背凭れにしがみつくようにして謝罪の言葉を繰り返すイワンに「気にする必要はないよ!」と力説するキースも釣られたように頬を赤らめていた。
 ゴホゴホと空咳をして、キースは話を元に戻す。
「口といえば…そうだな。声が大きすぎると気にならないかな」
「えっ、元気になりますよ。僕はボソボソ喋ってしまうんで…勉強になるというか」
「そうかい? 時々、うるさいと怒られるよ」
「だ…誰が怒るんですか!」
 イワンは自分自身も怒り出しそうな声をあげた。
「オフィスでだよ。向かいの席の人が電話をかけていようものなら、『スカイハイ、先方の声が聞こえないから声を落として』と叱られてしまう
「はぁ……それ、電話の相手の方は驚くでしょうね」
 何といってもヒーローのスカイハイだ。へぇ、同じ部屋にいるんだなぁどころか、その声がうるさいと叱り飛ばされているなんて。
「他には…そうだな、察しが悪いのではないかな」
「僕みたいに何でも裏の意味を考えるより全然いいです。大らかでいいと思います」
「そうか……」
 キースは腕を組んだ。やはり、イワンの口からも欠点と知っていて好きなのだという言葉は出てこない。
「ああ、それじゃあこう聞き直すよ。私に直してほしいところはないかな」
「直して…ほしいところ?」
 イワンは小首を傾げたが、すぐにその首を横に振った。
「ないです、全然」
「たとえば、一昨日トレーニングセンターで話したとき、先週きみがここで過ごしてくれたとき、私の行動を思い出してみてくれないだろうか? どうだい、ひとつくらいは」
「え…ええと……」
 目を閉じて回想する。
 一昨日はどんな会話をしたのだったか。そうだ、タイガーさんもいて……。
 それから先週もこの部屋を訪れたときは、確か…あれは……。
 そぅっと顔を上げたイワンは、顔といわず耳までも赤くしていた。
「ん? どうしたんだい?」
 尋ねるキースと目を合わせず、イワンはもごもごと口を動かす。
「……ええと、あります。…ほんのちょっとだけ、直してほしいところが……」
「うん、何だろう」
「その…時々、ちょっと意地の悪いところ、を……」
 えっ、と言ったきり絶句して、キースは縮こまるイワンを見つめた。
「私がきみに、意地悪をしてしまっている…ということかい?! 一体、いつ? どんなふうに?」
 心底申し訳なさそうに尋ねるキースに、しかしイワンは答えようとしない。


 いつ、というなら先週だってそうだ。その前も。
『――ほら、ちゃんと教えてくれないとわからないよ』
 キースはあくまで優しく、けれど絶対に妥協せずに答えを引き出そうとする。
 しゃくりあげるような声を洩らすイワンを案じるように、そっと肩口を撫ではするものの追及の手は緩めない。
『教え…って、あ……やぁ……』
『こうするのは、どう? 嫌?』
『い…ゃ……じゃ、な……』
『じゃあ、好きかな?』
 うぅ、とイワンの口から子犬が甘えかかるような声がこぼれる。
 かろうじて顎の先を沈めれば、その動作を食い入るように見ていたはずのキースが重ねて質問した。
『……気持ちがいい?』
 口で訊いておいて、反応を確かめるために体のほうにも悪戯を仕掛けてくる。
 思わずぶるりとイワンが首を左右に振れば、『気に入らないのかな、もう止そうか?』とすかさず確かめられてしまう。
 半端なところで止めてほしいはずがない。イワンは涙を滲ませた。
『んー…ちが……』
『じゃあ言って』
『なん…で、そんな……』
 羞恥に頬を染めて、イワンが顔を歪める。
『私だって不安なんだよ。私は敏いほうじゃない。きみを傷つけたくないし、気持ちよくなってほしいし』
 だから、ね、と低い声を赤く染まった耳朶にささやく。
『ちゃんと教えて?』
『あ…いまの、』
『うん、ここ?』
『……ぁ、…っ』
『――もっと?』
 ひっ、と息を呑んだイワンの背が震えながら仰け反る。
 それから。
 みっともなさも恥ずかしさも全部溶けてしまうまで、散々そんなやりとりを続けたような記憶がある。


「……あ、ああいう意地悪なのは、こ、困るっていうか……」
 きまり悪そうに、それでもどうにかイワンは説明を終えた。
 そうか、とキースがうなずく。
「わ、わかってもらえましたか」
「――そう、それだ!」
「へ?」
「私は欠点を直そうとしていたわけじゃないんだよ。困ったところもひっくるめて愛してこそ、二人は長く愛し合えるのだという秘訣を実践しようとしていたんだ」
「……はい? って、え???」
「イワンくん、そんな欠点も含めて私を好きでいてほしいんだ」
「え、あ、つ…つまり?」
「つまり私は、きみの言う意地悪な質問を、これからも続けていかなくては!」
「えっ? えええっ? あれっ?」
 理解が追いつかないという顔になっているイワンを、キースは満面の笑顔で抱きすくめる。
「というわけで、いまから…きみに愛想をつかされない程度に『意地悪』しても構わないかな?」
 えええ、と視線を泳がせるイワンの鼻の頭に、キースは小さなキスを落とした。
 これで一件落着だ! と勢い込んで宣言するキースに、なんか違う、とイワンはつぶやきを重ねた。


《 END 》


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Posted on 2013/03/02 Sat. 02:29 [edit]

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