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空/折 「僕たちは魔法使い」 


「魔法使い」といってもスラング的な何歳までアレだとかいう意味ではありません。
かといってファンタジー的な意味でもありません。

クド○ンさんのシナリオブック『僕の魔法使い』を読んでいて、バカップルが書きたくなりました。
(え、古いですか? でも面白いものは色褪せないです)

TVシリーズ終了後七年くらい経っている設定です。でもバカップルです。ギャグです。
兎虎と楓も出てきます。



 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

僕たちは魔法使い



 TV局の内部というのはどこでもそうなのだが、曲がりくねった廊下の壁のあちこちにポスターや獲得した視聴率の数字が所狭しと貼り出され、それに目もくれずに雑多な人々が忙しげに行き交っている。
 控え室が並ぶ区画の入り口まで局員に案内されてきたのはプラチナに似た色味の薄い金髪をした青年で、案内を終えてサッと身を翻したスタッフジャンバーの背中に神経質そうなおじぎを返した。
 どれも同じようなドアに人差し指の先を向けながら数を数えているらしく、《   様》の部分が空欄になったままのプレートを下げたドアを二三度確かめると、あまり力の入っていないようなノックをする。
「はい」
 中から聞こえた耳慣れた声にわずかに表情を緩めて「お邪魔します」と声をかける。
 ノブを回してドアを引くと、室内からは笑顔が向けられた。
「あ、いた」
 口の中だけでそうつぶやいて、慌てたように小刻みな会釈を部屋の中の人数分繰り返す。
 務めを果たしたという体でそそくさとドアを閉めると、部屋の中へと進む。主に、中ほどに陣取ったある人物のところへ、だ。
「やあ! イ…折紙くん」
「キ…スカ……ええと、ここは名前でも大丈夫かなぁと思うんですけど」
「そうだね、じゃあはじめからだ! やあ、イワンくん!」
「はい、キースさん」
 そこまで言うと、イワンは急に顔を曇らせた。
「すいません、来ちゃいました」
「すまなくなんかないさ! 顔を見られて嬉しいよ!」
「よかった。僕もキースさんと話せて嬉しいです」
「どれくらいぶりだろう、きみとこうして向かい合うのは」
 キースは壁にかかった時計を振り仰ぐ。
「今朝は寝坊してしまって、僕が寝ているうちにキースさんがお出かけになってしまったので……」
「それじゃあ十二時間、いや十三時間ぶりかな。また元気なきみを見つめられて、幸せだよ」
「キースさんは朝、寝ている僕を見たかもしれませんけど、僕は夜眠りに落ちてから今までキースさんを見ていません。不公平です」
「そう、きみはぐっすり眠っていたからね」
 そのときの様子を思い出したかのように、キースは口元を緩める。
「でも、ひどいです。挨拶したいから起こして下さい、って前にもお願いしたはずなのに」
「きみは昨夜遅く帰ってきたじゃないか。それもぐったりと。疲れているのを知っていて無理に起こすなんて私には出来ないよ」
「昨夜もほとんど話せなかったから、今朝くらいちゃんと『おはようございます』も『いってらっしゃい』も言いたかったんです」
「実を言うと、あまりに可愛らしい寝顔だったんだよ。可愛いどころか、とても美しくて神聖にすら見えたのさ。それを起こしてしまうなんて、私にはできないよ」
「そんな……」
「それにきみは、私が『いってきます』と声をかけると、むにゃむにゃと返事をしてくれたよ!」
「えっ、本当ですか?!」
「本当だとも! 何と言ったかまでは聞き取れなかったけれど、あんなに愛くるしい挨拶はそう聞けないからね! 『いってらっしゃい』むにゃむにゃバージョンだ!」
「この歳でそれは恥ずかしいです……お願いだから、今度からちゃんと起こしてください」
「どうしようかな。きみは最近、とっても格好いいからね。格好いいイワンくんも勿論素晴らしいけれど、週に一度くらいは愛くるしいむにゃむにゃバージョンでも良いくらいだ」
「そんな、困ります」
 困ると言いながらもイワンは目許を赤くして照れ笑いを浮かべていた。
「……咳払いをするのも空しいので普通に伺いますが」
 部屋の奥から声がかかる。
「先輩、今日はこちらにお仕事だったんですか?」
 質問をしたのはバーナビーだ。高級品とは呼べないソファではあるが、浅く腰を下ろして長い脚を軽く組んでいる様は彫像のようだった。
 いや、もしかしたら唐突に目の前で繰り広げられた先輩カップルのやりとりに、それこそ彫像のごとく硬直していたのかもしれないが。
 整った顔に引きつった笑みを浮かべるバーナビーを振り返ったイワンは、さほど済まなそうな様子も見せず「はい」と軽く顎を引いた。
「僕は下のフロアで取材を」
 イワンは小脇に抱えていた雑誌をテーブルの上に載せた。
「僕のほうは予定より早く終わったんですけど、そしたら、こっちでは皆さんが前の収録が押しててまだ控え室にいるみたいでしたよ、って教えてもらったので、その」
「会いにきてくれたんだね!」
「……はい!」
 バーナビーが質問をしたというのに、なぜだかイワンは体ごとキースの方向を向いて話し終えていた。
 頭痛でもするかのように、こめかみに指を当てた格好でバーナビーは息をつく。
「おかしくないですか?」
「何がだい?」
「バニーちゃん、バニーちゃん」
 さっきからずっとそこにいたのだが、後輩カップルのやりとりはつけっぱなしのTVでも眺めるように眺めていた虎徹が、腕を伸ばして相棒の袖を引く。
 やめろやめろ、の形に口だけを動かして虎徹が相棒を留めようとするのも無視して、バーナビーは言葉を継いだ。
「……お二人は出会って何年経つんでしたっけ?」
「忘れもしない。八年前の春のことだよ」
 キースが満面の笑顔になるのとはうらはらに、イワンは顔の前で両手を振り回す。
「や、やめて下さい! 僕が挙動不審で訳のわからないことを口走って、って話ですよね?! もう散々その話してるじゃないですか!」
「何だか大きな齟齬があるようだね。ヒーロースーツを脱いでもきみは不思議と全身の姿を見せてくれなくて、その隠れるような動きはまるで遠い国の珍しくてきれいな小鳥みたいだったよ。私は素敵な鳥の求愛のダンスに見惚れてしまっていたわけさ!」
「それが挙動不審ってことじゃないですかぁ」
 イワンはぐったりと肩を落としたが、唇を尖らせるとこう付け加えた。
「……でも見惚れてたっていうなら、それは僕のほうで、ヒーロースーツを脱いでもまんまスカイハイさんだぁヒーローだぁって感動して、でも家に帰ってから、もしかしてあんなに格好いい人に見えてたのって僕の脳が見せた妄想なんじゃないかとか、何かのNEXTにかかってたんじゃないかとか、そこから丸二日不安で不安で」
「私のほうだってそうだよ。きみの顔を真正面から間近で見られたのは結局、それからひと月も後のことだったのだけれど……あまりに綺麗な顔立ちだったから本当に驚いて、それからきみのことを思い出すたびにずっと胸が高鳴って仕方がなかったよ。きみはNEXT能力者などではなくて、ひょっとして魔法使いなんじゃないかと悩んでしまったくらいさ」
「そっそれは大袈裟っていうか、あの」
「大袈裟どころか、出会ってからずっと、今も私はきみの魔法にかけられたままだよ」
 恭しく手を取られてそう告げられると、イワンは大きく見開いた目を何度も瞬いた。
「キ、キースさん……うぁ、やばい泣きそう」
「泣きたいのはこっちです」
 強張った顔でバーナビーがつぶやいた。虎徹はすでに後輩カップルにも年下の相棒にも絡むのはやめにして、部屋の隅にあるサーバーからコーヒーを注ぐことにしたらしい。
 放っておいたらいつまでも続きそうな告白合戦を断ち切るようにして、バーナビーが問い直す。
「ええと、それからお付き合いを経て、パートナー法がこのシュテルンビルトでも施行されたのと同時に、結婚式も挙げましたよね?」
「そうだね。皆が祝福してくれて、何て幸せなんだろうと私は涙が止まらなかったほどで」
「あれは何年前ですか」
「三年前よね」
 にこにこと口を挟むのは楓だ。
 イワンが放り出していた雑誌をめくっていたのだが、それを閉じると、記憶を手繰るように斜め上に顔を向ける。
「ほんと夢みたいなお式だったなぁ」
「正確には二年と八ヶ月前だ。市政記念日と同じ日だったから市長やお偉方まで参列してくれたね」
「デビューしたばっかりだったあたしも参列させてもらって。すごい緊張した」
「いや、きみは実に堂々としていたじゃないか。愛くるしい衣装で会場もとても華やかになった。感謝しているよ」
「あれは、あたしにとってもビッグチャンスだったから。得しちゃった」
 えへへ、と楓は笑う。長い黒髪にスレンダーな長身の彼女は、巷ではミステリアスなアジアン・ビューティーとして通っているが、素顔は子供の頃からあまり変わらない天真爛漫さが目立つ。
 虎徹の愛娘、楓は三年前にヒーローとしてデビューを果たした。ハイスクールに通いながら二部リーグで活躍を続け、昨年からは一部昇格を果たした期待の星だ。
「……だから、小学生だった楓さんがもうすっかり大人に、立派な社会人になったというのに――」
「ちょっとちょっとバニー」
 しかし虎徹がバーナビーの話の腰を折ろうとする。
「すっかり大人に、って言い方なんかヤラしくない?」
 ペーパーカップから口を離して虎徹が不審げな顔をする。楓が頬を膨らませた。
「そういうことを言うお父さんが、ヤラしい」
「パパはヤラしくなんかありません! 可愛い娘を心配しているだけです!」
「なんでバーナビーさんにだけそんなに絡むのよぉ。だったらエロい目であたしのこと眺めてるTV局のスタッフとかスポンサーとか全員叱り飛ばしてきてよ」
「あのなぁ……勿論そっちだって心配だけど、それは仕事だろぉ。パパが心配してるのは、楓が昔はバニーのファンだったからなんだって」
「今もファンよ。それに目標だわ」
「ありがとうございます」
「だけどライバルでもあるのよ。あたし、ケジメはきちんとつける性質なの」
「でもさぁ、楓ぇ。目の前にこういう見本だっているんだぞ。何年経ったって一度好きになったらずーっと新婚気分っていう二人が! 人間の気持ちはそう簡単にケジメなんてつけられないもんだって見本だろぉ」
「あたしもいつか素敵な彼氏がほしいなぁ、とは思ってるけど……半日会わなかったからって、寂しいとかは重症じゃない?」
 セリフの後半は声をひそめ、父親のほうへ身を屈めるようにして楓は締めくくった。
「そうですよ!」
 楓の言葉を引き取ったのはバーナビーだった。
「そう、小学生が社会人になったんです。それなのに、あなたがたは一体いつまで恋人気分なんですか」
「えっ?」
「え、あ、何ですか?」
 隣どうしの席に落ち着いたキースとイワンは、部屋のカーテンの色を変えようかだの、だったらラグを新調しようかだのといった、他人にはどうでもいい…というよりむしろよくわからないような話を仲睦まじく交わしていたところだった。
「いつまで、というと?」
 何を言われているかわからないというような顔で、キースはバーナビーの眼鏡の奥の目を覗き込む。
 イワンは、どうしましょうと言いそうな顔をしてキースに顔を向けた。
 そんなパートナーと目が合うと、キースは唇を結んで大きくひとつ頷いてみせた。
「いつまで、か。その答えは『ずっと』そして、『一生』だ」
「……キースさん!」
「だって、私達は主なる神と、それに私達を支えてくれる仲間の前で誓い合ったのだからね!」
 キースはなぜかビシィッと効果音が鳴りそうなほどに勢いよく腕を伸ばし人差し指を中空へ向けた。イワンも感動の面持ちで同じ方向へ目を向け、楓と虎徹は「カレンダー?」「非常口?」とキースの人差し指の先にある物体の名称をつぶやいていた。
「いえ、あの、お二人の愛が永遠なのはわかりました」
「わかってくれて嬉しいよ!」
「それはよかったです。ああ、だからそうではなくて、家に帰れば会える、一緒に暮らしているわけでしょう」
「そうは言うけれど」
 キースは首をゆるく左右に振る。
「きみだって経験があるはずだよ。TVの収録やらイベントやら、朝早くから夜遅くまで私達のスケージュールはまちまちだろう? そして、やっと寛げるはずのプライベートの時間でも容赦なく緊急出動のコールが鳴るんだ。学生だった頃のブルーローズくんも言っていたじゃないか。サラリーマンのお父上のほうが自分より長く家にいると」
「大先輩が仕事の大変さを語って下さっているのは理解できます。しかし、僕がわからないのは出会って五年、プライベートでもパートナーになって三年も経つお二人が、こうやって職場でも甘ったるく見つめ合わなくちゃいけない理由です」
「そう、そこだよ!」
 キースは腹式呼吸でそう叫び、思わずイワンが「しーっ」と肘のあたりをつつく。
「何もトラブルも起きなかったとして、だ。睡眠に六時間、通常の勤務と通勤で十時間強、それに私の場合は夜のパトロールに一時間程度当てているから、二人で過ごせる時間は朝に出勤前の一時間と少し、そして夜帰宅してからの四時間程度だ。一週間で約三十八時間、これでようやく一日半という計算になるんだよ」
「お休みの日は……ああ、あんまり重ならないよねぇ」
 楓が残念そうな声を上げ、キースは深くうなずく。
「一年で二千時間と少し。これを二十四で割れば、八十数日なんだ。一年生活して、二人で過ごせるのは三ヶ月もない!」
 イワンも眉を寄せて遠くを見る目になる。
「一緒に暮らすようになって少ししても、何だかあんまり顔を合わせないような気がして……この計算をしたときにけっこう悲しくなったんですよね」
「あー…だってこれ、スカイハイさんだけのスケジュールでしょ。昔ほどじゃないけど、治安がよくなったとはいえ今だって緊急出動はかかるし」
 楓も、自身の将来を案じるかのように渋い顔つきになる。
「たとえばホリデー・シーズン、それから企業が新しい商品や企画を打ち出す時節、そんなときにはイベント三昧だろう。それに春や夏の始まりには犯罪が増加傾向にあって、一緒の家に暮らしていてさえ、顔を合わせる機会がほとんどないような時期もあるんだ」
「言いたくないけど、何が起きるかわかんない仕事だしね」
「そうだね。ヒーローになると決めたときに、危険については承知していたけれど……家族を持つ、家族も同じ仕事をしているのだと考えると、顔を合わせていられる時間がどんなに大事で輝いているか、気づかされたよ」
「だよなぁ」
 家族を持ったことがある虎徹は、うんうんと頷いた。
「……お父さん。この人たちはお父さんが若かった頃よりずっと忙しいんだからね? あーわかるわーみたいな顔しないでね、恥ずかしいから」
「だぁっ、楓! なんてこと言うの! めっ!」
 父娘のじゃれあいは脇に置いて、キースは言葉を継ぐ。
「結婚を考えたとき、私はヒーローを辞めてもいいとさえ考えたんだ」
「僕が止めたんです」
 イワンがあとを続ける。
「家庭を大事にしたいって、きちんと考えてくれているのは理解できました。でも、キースさんはやっぱりヒーローに生きがいを感じているのだって、僕は傍で見ていて知ってたから……申し訳ないけど、僕だってそうなんですし」
「そう。きみほど皆から深く愛されているヒーローは他にいないよ」
「僕のは、マニアックっていうんです。それに、僕が一ファンとしてヒーローでいてほしいっていうのもあるし……ちょっとわがままですけど」
「そんなことはないよ! きみがそこまで深く考えていてくれると知って、どんなに幸せを感じたか!」
 二人は視線を合わせ、これから声を合わせて歌うかのように深くうなずきあった。
「だからせめて、共働きを続けようって決めたんですよね」
「そう。同じ仕事をしていれば苦労も分かち合うことができるからね」
「あああ……もう我慢できません!」
 眼鏡を振り落とさんばかりに、バーナビーは頭を振った。
 その隣では、ギョッとして一旦体を引いた虎徹が「おい」と口を開く。
「まぁまぁ抑えて…せっかくなんかいい方向に話がまとまりそうなんだから」
「いいえ! ひとこと言わないと気が済みません!」
 鼻息荒く告げると、バーナビーはずんずんと二人の前に進み出た。その腕を捉えた虎徹が半ば引きずられるようにして相棒のあとを追う。
「折紙先輩! スカイハイさん!」
 呼ばれた二人は再度うっとりと見つめ合っていたのだが、慌てて後輩のほうを向く。
「いくら先輩だからといっても、これだけは言っておきたいと思います」
 そう告げてバーナビーがすぅっと息を吸い込むと、向かい合ったキースとイワンの二人も緊張した面持ちになった。バーナビーの背後では虎徹が、暴言を吐くのではないかとどこか酸っぱいような顔で見守る。
「……お二人ともいいですか」
 コクリ、と先輩カップルがそれぞれに顎を引く。
「『共働き』は同じ職場で働くことではありません!」
「えっ?!」
「ええっ?!」
「……共働きというのは、夫婦がともに働きに出て生計を立てることです。それだけはハッキリさせておきたい!」
 バーナビーから視線を外すと、二人はパートナーの顔を見やった。
「あ、あの、キースさん」
「うん、なんだい」
「……すいません、僕、知ってました」
「えっ、知っていたのかい?!」
「はい。キースさんって、変に常識に疎いところがあるから、本当のことを言って傷つけたくないって思って……もう、僕、三年も……」
「そうだったのか。イワンくんは何て優しい人なんだ……」
 しかし、とキースは笑顔を見せた。
「私も知っていたよ」
「え? そうなんですか?」
「ああ。きみが『これからも共働きで頑張りましょうね』と言うから、同じくヒーローを続けていくことを《共働き》と呼ぶのだと勘違いしているのかもしれないと思ってしまってね」
「そうだったんですか。僕はてっきり……だって、キースさん、結婚しようってことになったとき、どっちかの会社で二人いっぺんに雇ってもらえないかって奔走したくらいだから、職場が一緒じゃないと嫌なのかなって勝手に深読みしまったんです、ごめんなさい」
 見つめ合う二人の脇から「えっ」という声が上がる。楓だ。
「え、割って入ってごめんなさい。うそ、どっちの会社に頼みに行ったんですか? 自分も雇って下さいって言いに行ったってこと?」
「駄目で元々というつもりではあったのだけど、あれは大変だった」
「そうですよ。キースさん、七大企業のトップが集まる会合に乗り込んでいって」
「何それすごい」
「折り入ってお話したいことがありますって言い出して。……ファイヤーさんがあとから言ってましたよ。てっきり収賄事件とかの告発か何か…巨悪の追求でも始まるのかと思ったって」
「で、バカモーンとか怒られたんですか?」
「いやぁ、逆にCEOお二人から逆に頭を下げられてしまってね。考え直してくれと。ジャパニーズ・ドゲザだよ」
「土下座ぁ?! 見たかったー!」
「勿論、私もイワンくんから見よう見真似で習っていた、ジャパニーズ・ドゲザ・リターンズを……」
「キースさん、それはいくらキースさんでも格好よくなかったです」
「やだ、それ絶対見たかったー! あ、バーナビーさんよかったね。二人とも《共働き》の意味、ちゃんと知ってたって」


……このあと、ヒーローたちの出番だとようやく収録スタッフが呼びに来たときには、バーナビーが疲労困憊していたことは言うまでもない。


 ■ E N D ■


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Posted on 2013/02/05 Tue. 18:05 [edit]

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