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冬コミ新刊 「 Cat and Dog and Me !! 」 

※ この同人誌は完売しました
冬コミ用新刊その2。
コピー本です、すみません!(>_<)
『Cat and Dog and Me !!』 28p 300円です。全年齢向。

cat and dog


土曜日、東 F-18a 、サークル名「okonomy」で参加します。

怪我をした、イワンにどこか似た猫を保護したキース。それがある日、どう見てもイワン(ただし耳と尻尾アリ)の姿になってしまって……
ドタバタかつファンタジーみたいですが(いや、実際そうなんですが)空→折からの空←→折となります。

よろしくお願いいたします。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


Cat and Dog and Me !!


(本文冒頭と、中盤です。)


「ただいま」
 一人暮らしの家に戻ってもキースは挨拶をかかさない。 それは、よっぽどのことがない限り玄関先まで出迎えてくれるソウルメイトと暮らしているからだ。
 床にかすかな爪の音を鳴らして、もうすっかり大人の年齢と体つきになったというのに、いまだに少し落ち着きのないところのある愛犬が廊下を足早にやって来る。
「やあ、ジョン」
 普段ならパタパタと尻尾を振って、離れていた時間を埋めるようにかまってもらいたがるゴールデンレトリバーは、何度も自分がいま通ってきた廊下を振り返り、キースの手や腿に鼻先を押しつけて、奥へ入れと促すのだ。
「どうしたんだい、ジョン?」
 いつもと違う様子を見せる愛犬の顔を覗き込む。
「もしかして、あの子が何か?」
 そうだよ、と言うようにジョンが小さな鳴き声を発する。
「……イワンがどうかしたのかい?」
 待ちきれないとばかりにジョンは廊下を住居の奥へと駆け出して行った。家の中で駆け回ることなんて、もうずいぶん前からしなくなったはずなのに。
 キースもジョンを追うように、足早に廊下を進む。
 何があったのだろう、とキースは訝しむ。《イワン》が怪我でもしたというなら、ジョンはもっと吠えたてたりするだろう。そう危険なことは起きていないとは思うものの、心臓の鼓動が速まった。
 リビングを抜け、キッチンや食堂の前を素通りし、ジョンは寝室へ向かう。
 ドアの前で立ち止まったジョンは、飼い主を振り返った。その表情が困っているように見えるのは気のせいだろうか。
「……イワン?」
 キースは呼びかけた。
 その名前を唇に乗せることも、いまではほとんど戸惑いがなくなった。
 あの日からもう二週間になる。
 あれは、季節をずっと先取りしたような、冷たい雨の降る夕方だった。
 ジョンとの散歩中、キースは《イワン》と出会った。
 何を感じたのか、キースは公園の植え込みに目を遣った。首をひねりながらそちらへ近寄っていくキースに、ジョンのほうがたしなめるように首を背けてリードを引いた。
 まだ大人になりきれない頃のジョンは、地面すれすれに伸びた植え込みの枝の下に鼻を突っ込もうとしてはキースに怒られていたものだ。
 だがその日は、鼻の利くジョンでなく人間のほうが植え込みに近づき、根元に目をこらした。
「え?」
 自分で見つけたものが信じられないというように、キースは声をあげた。
 飼い主の見つけたものを認識したらしく、ジョンも一声吠える。
「ああ、見間違いじゃないようだね……これは、猫だ」
 子猫と呼ぶには少し大きすぎると感じたが、大人になりかけのように見える猫だった。
 少々泥がついているが、白銀の毛並みには艶があって、体はひょろひょろと細いものの、栄養不足というより成長途上なのだろうと思わせた。
 猫のほうが先にキースとジョンの姿を認めていたらしい。人間と大型犬に見つめられた猫は、こちらを睨んでいるのでも、怯えて固まっているのとも違うようだった。
 人間のことも犬も怖がる様子はない。
 飼い猫だろうかとキースは思った。しかし、細いプラチナ色の首に、首輪はない。
 猫は、ほんの少し前に進み出た。動きがおかしい。後ろ足を痛めているようだ。
 光の加減か、ついっと距離をつめた猫の眼が色を変えたように見えた。
 薄い茶色から濃い茶色へ。それから、金色に瞬いて、一瞬だけ鉱物じみた紫色に。
 キースは屈みこむと、素早く猫の体をつかむ。
 猫は驚いたようではあったが、さほど抵抗することもなく、キースの両手に支えられてぶらんと宙吊りにされている。半分困ったような、どこか達観したような顔つきで肩をすくめているように見えて、キースは頬を緩めた。
 間近で見ると、その目はやはり茶色だったが、吊り下げられた姿勢で所在なさげにしている様子は見知った人物を思わせた。
「……イワン」
 思わずキースの口をついて出た名前に、猫は小さく鳴いて答えた。
 まるで、はいそうですよ、と返事をしたかのように。
 そんなはずがない、とキースは思い直すと小さく笑ったが、さっき咄嗟に呼びかけた名前は頭の片隅から消え去ることがなかった。
 そうして、怪我をしているらしい、冷たい雨に打たれていた猫はキースに保護されることになった。
 動物病院で、誰かが探している猫ではないかと尋ね、迷い猫としてデータベースに載せてもらうことにしたが、半月経つ今日までまだ問い合わせはないらしい。
 住まいに連れて帰ることにほとんど躊躇いのなかったキースだったが、ひとつだけ気になることがあった。
 ジョンだ。しかし、初対面のときから、いつもなら自分より小さな生き物に興奮するたちのジョンは、軽い怪我をしたこの猫については以前から一緒に暮らしているかのように適度な距離を保って過ごすことができた。
 怪我のせいか、元々の性格か、イワンは昼間はうつらうつらしていることが多く、夜が更けても暴れ回るようなことはなかった。
「イワン? どうしたんだい?」
 犬の、それもキースによく馴れたジョンとは違って猫の《イワン》は、名前を呼んだところで駆けつけてくることはない。それでも、名前を呼ばれれば細い声で自分の居所を知らせるのだ。
 それが、今日はまったく聞こえない。
「そこかい?」
 キースは寝室のドアノブを掴む。
 室内に足を踏み入れると、体を起こす影が見えた。廊下からの明かりで薄っすらと見えたそれに、キースはぎくりと動きを止める。
 ベッドの上でむくりと起き上がったそれは、人間ほどの大きさだ。キースは慌てて壁に手を伸ばし、照明のスイッチを操作する。
「……キー…ス、さん」
 これ以上ないくらいに両目を大きく見開いて、キースは立ち尽くした。
 呼びかければ鳴き声で応えてくれるはずの小さな猫。
 その猫がいるはずの空間から、自分の名前を呼ぶ人物が出現したのだ。驚かないはずがない。
 それも、そこにいるのは――
「イワン……」
「はい」
 ベッドの上に横座りというか、腕立て伏せの途中で力を失ったような半端なポーズでうなずいたのは、拾った猫にキースが戯れにつけた名前の持ち主の姿をしていた。
 ここに、いるはずのない人物だ。第一、この部屋に来たことすらない。
 ヒーロー・折紙サイクロン。その素顔は十代をそろそろ終えようという、少年と青年の合間にいるイワン・カレリンという名だ。
 彼は、キースがいつも眠る場所で、キースが眠るときに着ている少々くたびれたスウェットをその体にまとわせていた。上衣のなかでほっそりした体が泳いでいる。下衣は穿きかけて手を止めたようで、上衣の裾に隠れてはいたが、太ももあたりに幾重にも皺が寄った形で放っておかれている。
「イワンは、いや、何でもない、ええと、きみはどうしてここに? それに、その恰好は」
「……キースさんの服、勝手に着て、すみません」
「いや、あの、怒っているわけではないよ、そうだね、まず……どうやってここに来たんだい?」
「だって、この部屋のドア、キースさんはいつも少し開けてくれていて」
 確かにそうだ。寝室には盗られるようなものも特にない。第一、玄関からは特殊な鍵がなければ入れないのだ。しかし、彼はなぜそれを知っているのだろう。
「これは、そこに出てたから…着ました。肌寒くて……昼寝から起きたら、こうなってて」
「こう、なってて? 昼寝をして、起きたら?」
「……キースさんみたいな、恰好になってたんです。夕方になったら、寒くなってきて……この体には毛がない、から」
「私みたいな、なんだって?」
 訊き返すキースの前で、折紙サイクロン――イワンは、自分の背後を振り返った。いや、背後を見たのではない。彼が見たのはシーツの上で揺れる、長細くうねる物体だった。
 シーツを撫で、イワンの腿を、穿きかけて皺になったスウェットの上をなぞるものは、何かに似ている。
「……尻尾、か?」
 猫の《イワン》が歩くのにつれて揺れていた、彼の尻尾にそっくりだ。白銀の毛に覆われた、ゆらゆらと自在に動く尻尾。
「はい。これと、こっちだけは、そのままで」
 イワンが両手を頭の上に掲げた。幼児のような覚束ない手つきでつまんでみせるのは、頭頂より少し左右に位置する三角形の物体だ。
「まさか、み……」
 とても短い単語を最後まで口に出来ず、キースは口を音なく開閉させた。
 どう見ても、頭の上についているのは耳だ。それも猫たちについている、耳の形だ。
「急に、こうなってたんです。キースさんみたいな、あの……人間の、体に」
「人間の……」
 言葉を繰り返してはいるが、キースの頭の中はひどくぼんやりと霧でもかかったようだった。
「ということは、その、きみは…つまり……」
「イワンです」
 そう答えるイワンの腿の上を尻尾がゆらゆらと揺れてかすめた。
「キースさんが、そう呼んでくれたんです。最初に、公園で。雨の日に」
 確かにそれは、先日保護した小さな猫のエピソードだ。
「怪我をしていた僕を、キースさんが見つけてくれて」
「じゃあ……きみは猫の…イワン、なのかい?」
「はい」
 おかしい。どう見ても人間に、しかも職場の同僚にしか見えない相手に『きみは猫か』と訊いて、『はい』と答えが返ってくるなんて。
「きみは、折紙くんではないんだね? ヒーローの、折紙サイクロンをやっているイワン、くんでは」
「オイ…ガリ? それ、なんですか?」
 きょとんとした顔で大きな目をぱちぱちさせるイワンの頭の上で三角の耳がピクピク動く。
 キースは急に脱力感に襲われ、その場に膝をついた。


(中略)


 一夜明けた、ジャスティス・タワー内部。
 ランニングマシンから降り、キースはあくびを噛み殺す。
 昨日はあれからも大変だった。
 キースがスカイハイとしてパトロールを終えて戻った深夜のことだ。イワンがどこで寝るかという問題が残っていた。前日まではベッドカバーの上、キースの足元に丸まって眠っていたのだ。
 客間に案内したら泣き出しそうな顔をされ、以前と同じようにベッドカバーの上に乗られてはキースが重さに音を上げ、結局は同じ寝具にくるまることになってしまった。
 これは猫なのだ、というよりひょっとすると幻覚なのかもしれないのだからとキースは自分に言い聞かせたが、それでも好きな相手そっくりな別人が隣で寝息を立てている状況は、キースを寝付けなくさせるのに十分すぎた。
 トレーニングを終えたキースに、こちらはストレッチを終えてマシンに向かおうとしていたバーナビーが声をかけた。
「そういえば、猫はどうなりましたか?」
「ね、猫?!」
 機械的にトレーニングをしながらも、頭の中は人間の姿になった猫のイワンのことで一杯だったキースは思わず声を裏返してしまう。
「ええ、猫を…怪我をした猫を連れ帰った、と聞いたように思うんですが」
 そういえば、猫を保護した翌日にバーナビーと虎徹と顔を合わせたので、その顛末を話して聞かせたのだったと思い出す。
「ああ、そうだとも! 彼は、もう元気になったよ!」
 やましい心を隠すために、必要以上に声を張り上げてしまう。
「そうですか。それはよかったですね」
 毒気を抜かれたようになって、バーナビーはかろうじて微笑みを浮かべた。
「それにしても、スカイハイさんは大型犬も飼っているのに、猫も連れ帰って、大丈夫だったんですか?」
「ジョンかい? 小さな生き物に興奮する性質かと思っていたのだけれどね。いざ怪我をした猫を目の前にしたら、とても大人しくて助かったよ。兄弟のように仲良しなんだ。ジョンも私が思うよりもずっと大人になっていたってことかもしれないな」
「へぇ、それは安心ですね」
 ところで、とバーナビーは人差し指で眼鏡を押し上げながら尋ねる。
「その猫には何て名前をつけたんですか?」
「な、名前だって?!」
 キースは思わずのけぞった。
 イワン――という名前を言うわけにはいかない。
「な、名前はつけていないよ。その…本当の飼い主が名乗り出てくれるのを待っているわけだし……」
 歯切れ悪くキースは答えた。実際には昨日、人間の姿になった猫のイワンの口から、誰か人間に飼われていたわけではないということを聞かされていた。
 猫が人間の言葉を喋るというのが、キースの幻覚でなければの話だが。
「なんだ…あの猫、まだお前の家にいるのか」
 二人の会話を聞いていたのは、ベンチプレスに横になって、何の運動もせずに長い長い休憩をとっていた虎徹だ。
 キースはそちらに顔を向ける。
「そうなんだ。迷い猫としてそういったネットワークにデータを登録してもらったのだが、飼い主だという人は現れないようでね」
「飼われてたんじゃ、ないんじゃねーの?」
「そうかもしれない。随分と人間に馴れているように見えたんだが」
「野良だけど、人間の好意を受けて大きくなったってヤツかもしれねぇし。里親探しに切り替えたほうがいいのかもな」
「そうだね……」
 それは、キースも昨晩、寝苦しいベッドの中で考えたことだった。しばらくならともかく、この先ずっと、キースが猫を飼うことは困難だ。きちんとした飼い主を捜してやらなければならないだろう。
 でも、それはイワンがあの姿を脱したあとだ。……と、いうより。
「すまないが、二人に見てほしい写真があるんだ」
 顔を上げたキースは少し険しい表情をしていたが、虎徹は相好を崩して尋ねる。
「ひょっとして、その猫の写真か?」
「ああ…その、ええと、まぁそんなところで」
 見せろ見せろ、と後輩を突っつく虎徹に、提案したはずのキースが途端にモジモジとしはじめる。
 そんな二人から少し離れていたバーナビーがふいに声をあげた。
「あ、先輩」
「えっ」
 バーナビーがこう呼ぶ相手を、キースは一人しか知らない。
 イワンだ。
 驚きの声をあげ、携帯電話をポケットにしまい直すキースに虎徹は不思議そうな顔になる。
「先輩も見てあげてください。スカイハイさんが最近飼いはじめた」
「飼ってないって、バニーちゃん。ちょっと面倒見てるだけだろ」
「そんなに可愛がっていれば、そのうち自分で飼うと言い出すんじゃないんですか?」
「あの、何の話ですか?」
 事情が飲み込めないらしく大きな目をパチパチとさせて、イワンは虎徹とバーナビー、そしてキースの顔をかわるがわる見る。キースは一瞬、顔を見られたことを喜び、小さく首を左右に向けるその仕草も可愛らしいと思ったが、今はそれどころではない。
「あっ……あの、私はこれで失礼するよ。怪我が治った猫がね、心配で」
「はぁ、あれか。元気になった途端に暴れまわったり悪戯するんだろ?」
「そうなんだ。いや、彼の名誉のために言っておきたいんだが、根はとてもいい子で……ああ、とにかく私はこれで」
 口の中でモゴモゴとつぶやきながら、キースは落ち着きなく去っていった。
 それを見送った虎徹がニヤリと笑う。
「ああ、わかった」
「何がですか?」
 バーナビーが眼鏡の奥の目を瞬く。
「バニーが、犬もいるのに猫も一緒に面倒を見るのなんて大変じゃないか、とか言ったろ?」
「言いましたね。犬のほうはもう大人だから、さほどでもないという答えでした」
「そこだよ」
「そこ?」
「もう一人、いるんじゃないのか?」
「……もう一人?」
 そう声を出したのはイワンだった。虎徹は我が意を得たとばかりにうなずく。
「そう。もう一人、お家にさ。猫の面倒を見てくれる人が、だね」
「え? なんですか、虎徹さん、女性が家にいるとでも言いたいんですか」
「言いたいんですよ、バニーちゃん。猫がどうしているか心配だからって帰る? 違うね。可愛い彼女がいるからとっとと帰るんだよ、あれは。そういう態度だ」
「ふぅん……」
 そうかなぁ、と言いたげにバーナビーは首をひねる。
「なんだよぉ。年長者の人間観察が信じられないってか?」
「そうですねぇ。オジサンは、お歳の割に目が節穴なことも多いですし。動物的な直感は鋭いこともありますが」
「なんだとぉ?」
 ワイワイと言い争うバディの隣で、イワンは眉を寄せて、キースの消えていったドアの向こうを見つめていた。
 その頃。
 エレベーターホールでキースはやって来たネイサンと会話していた。
 挨拶を交わしたあと、ネイサンから半月くらい会ってなかったわね、と言われ、キースはあの猫を保護したことをこの同僚には話していないのだと気がついた。
「そうだ。あの…ファイヤーくん、これをちょっと見てもらえないだろうか」
「あら、なになに? 何のご相談?」
 携帯電話を引っ張り出すキースの腕にしなやかに手をからめ、ネイサンは好奇心を滲ませた。
「この画像を見てほしいんだが」
 キースは携帯電話を操作して、昨日撮影した画像を呼び出す。
 イワンの…猫だったイワンが人間になった際の画像だ。一枚だけ、写真を撮影しておいた。
 相談というのは勿論、あの猫のイワンのことである。
 なぜ猫が人間の姿になったのか。
 可能性として一番大きな、キース自身の精神がどうかなってしまったのだとしたら、携帯電話の画面に映っているのは単なる猫に、他人には見えるはずだ。
 さっき、虎徹とバーナビーで試そうと思っていたのだが、そこへ本物のイワンが登場してしまったために、キースはどうにも抵抗を感じてそれを言い出せずに退散した。
 恐る恐る携帯電話の画面をかざすキースに、ネイサンはそれをチラリと見ると口を開いた。
「あらかわいい。折紙ちゃんよね? 猫の耳を生やして…この恰好がなぁに? 擬態の訓練だとか、そういうの?」
 キースはハッとして、携帯電話を後ろ手に隠すような仕草をとった。
「そうか……ファイヤーくんにも、これはそう見えるのだね……」
「え? ちゃんと猫に見えるかっていうこと? 何なの、一体?」
 眉間に皺を寄せるなどという珍しい表情を見せるキースを、ネイサンはまじまじと眺める。
「――折紙サイクロンにゃん!」
 元気な声を発したのは、二人の背後から近づいてきたパオリンだった。キースの背中に回した手の中の携帯電話の画面を見つけたのだ。
 思わず仰け反りかけたキースに笑いかける。
「折紙さん、かっわいい! それ、どうしたの? サプライズ・パーティーするならボクも混ぜてよ!」
「……キッドくんにも、そう見えるんだね」
 困惑したような、それでいてどこか安堵したようにも見えるキースの様子に、ネイサンとパオリンは顔を見合わせた。


(後略)

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Posted on 2012/12/27 Thu. 10:00 [edit]

category: オフライン

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