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空/折な七日間 

某所で開催された企画、七日間毎日ちょっとずつ空折話を書こう!
…というののログです。

人物名を書かない(でわかってもらえるように書きたい)
視点を交互に替える
…という自分的縛りを作ってました。
■ □ ■ □ ■ □ ■


(side:I)
このところ、よくあの人と目が合う。
目が合うと、必ず笑いかけてくれる。泰然っていうか鈍そうだけど視線には敏感なのかな。
いや、やっぱり振り向くまでけっこうかかる。
その笑顔に笑い返そうとして気づく。
なんだ。僕は、こっちを見てくれるまで眺めていただけだ。


(side:K)
このところ、彼がこちらを見ていることは知っている。
自分の動きが滑稽だとか呆れられているのではないといいけれど。
彼の視線に気づくと、なるべく時間をかけてから振り返る。
彼に見られている時間を引き延ばすために。きちんと笑顔を向けられるように。


(side:I)
あの人の名前が出て顔を上げる。
「先輩って、好きなんですよね?」
「す……」
「これわかります?」雑誌が向けられた。
「クイズ?」
「ヒーローの。けっこう難問で」
「わかりません」
目は活字を追うが頭に入らない。動悸が激しい。
どうしてか、よくわからない。


(side:K)
「何を話してたんだい?」
彼は大きな目を上に向けて、それから一瞬だけこちらの顔を見て、ブーツの先に視線を落とす。
「二人で雑誌を読んでたね」
「でしたっけ」
些細なことも知りたくなる。
手を伸ばしたら。
彼に、この手で触れたら。……知りたくて堪らなくなる。


(side:I)
その人を目で追って、その人のことばかり考えて、それって。
「恋じゃないわね」
「あ…そう」
「って、友達から言われたんだけど」
彼女は細く長い息を吐く。
「でもやっぱり恋だった」
「そっか」
「こういうのってさ、アンタがよくブログに書くあれよ、あれ」
「僕?」
「『大体合ってる』」


(side:K)
風が強かった。
廊下で顔を合わせた彼は、髪がくしゃくしゃになった自分を窓ガラスに見つけて挨拶の途中で笑い出した。
「この頭で挨拶しようとしてたなんて」
一緒になって笑う。彼が焦って撫でつける髪に思わず手を伸ばすと、鋭く息を飲む音がした。


(side:I)
風が強かった。
非常階段に続く鉄製のドアが大きな音を立てて閉まった。
音に押されるように大きく一歩前に出る。
こちらに伸ばされる手。それをかわすみたいにもう一歩進むと、鼻先にTシャツの白い布地があった。
「僕はあなたが」
「私はきみを」

―― 完

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Posted on 2012/11/04 Sun. 00:20 [edit]

category: SS(空折)

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