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新刊その1 8/26 ザ★ヒーローショウ2 

※ この同人誌は完売しました

2012/08/26、ヒロショ2での新刊のおしらせです。
スペースは、E-13a、「OKOnomy」での参加です。

silence01

『 Love is Silence 』  空/折 novel R18
オフセ A5 60p 600yen 発行2012/08/26


原作準拠(…いえ、あの、空と折は付き合ってますけどね)で、一応ヒーロー全員出ます。(ユーリさん、斉藤さんも)
五感のうちのいずれかを失わせてしまうというNEXTに出会ってしまったイワン。
一時的に聴覚を失い、唐突に休暇を与えられたイワンと、
その隣で過ごすキースのお話。

あっ、全然事件モノじゃないです。
ソファかベッドか…ちょっとドライブと散歩するくらい(苦笑)。

いつもは頑張って聞いてくれる人が、聞こえなくなってしまって
一生懸命話しかけてくれる人の言葉が届かなくなったら、どうなるのかなーと。


「続きを読む」には、1章の途中までと、ぴょーんと飛んでR指定な手前辺り(笑)をUPしてみました。
-----------------------

 ■ ■ ■ サンプルはじまり ■ ■ ■


 Love is Silence


1.


 それは、ほんのかすかな痛みだった。
 髪を握りこまれたのか、耳を掴まれたのか。
 すれ違いざまに誰かの手でイヤホンが毟り取られたことに気づいて、イワンは振り向いた。
 視界の端でイヤホンのコードが、スローモーションに似てゆったりと波打つのが見えた。
 黒いコードのうねりはなぜだか子どもの頃に見た、川を泳いでゆく細い蛇を思い出させた。
 イワンの目は犯人を探した。こんな嫌がらせをした相手を。
 人混みの中から一人の男が振り返った。小柄な、三十になるかどうかという特に目立つところのない男。
 目があうと男は、ひどく不愉快そうに顔をしかめた。
 なんだ、アイツ。まるでこっちが足でも踏んだみたいじゃないか、と思う。そんなことをした覚えはない。
 前に向き直りながら、胸に垂れていたイヤホンをつまみあげて耳に押し込もうとした。
 イワンは足を止めた。
 両方の手でイヤホンをつまんだまま、左右を見回す。
 昼下がりのメインストリートは、静まり返っていた。
 足を止めたイワンに気づくこともない様子の人々とすれ違い、追い越されていく。
 はしゃぐカップル、新商品の説明をするキャンペーンガール、つないだ手を揺らしながらお喋りする親子。
 誰の声も聞こえなかった。
 車の走行音、街路樹の枝が風に揺れる音、自分の足音さえも――。
 街の音は完全に消え失せていた。


 ホワイトボードに『被害者』という文字が書かれた。
 それに続いて『一般人女性五名・男性警官一名』と書き足される。
 この人の書く文字を初めて見るな、とイワンは思った。少し角ばってはいるが書きなれた字だ。
 事件発生日時が、全部で六つ並ぶ。最初が一ヶ月半前、最後が十日前。五番目と六番目以外には『?』マークがつく。
 改行して『被害状況』とペンが走る。男(白人・三十歳前後)と接触のあった箇所からの感覚の喪失。感覚を失う期間は一週間から十日程度。
 手を止めて、ペンを宙に浮かせたまま司法局の管理官、ユーリ・ペトロフは振り向いた。イワンを見てからホワイトボードに顎をしゃくるような動きをする。
 ここまでは良いですか、という意味だろうとイワンは顎を引いた。
 ユーリはペンにキャップをはめると、開こうとした口を閉じてチラリと視線を遣った。

(後略)

-----------------------

(急に20pくらい飛んでます~)


3. …の半ば、です。


(中略)

「目が覚めちゃいました」
 イワンは握った両手を目の前に持って行って、それをパパッと瞬かせた。イワンの声はキースに聞こえるのだが、目が覚めたというジェスチャーをしている。キースは、その両手に自分の指を絡めてゆっくりと降ろさせる。両手を退けると現れた、くすぐったそうな表情を浮かべているイワンの唇に唇で触れる。何度も。
「TV、消さないと」
「そうだね」
 同意はしたものの、指を絡めたままキスを深くするだけでなかなか他のことをしようという気になれない。
 お互いに相手から目を離そうとしないので、手探りでリモコンを探し出してTVを消すのに随分と時間をとられてしまった。ジョンにお休みと挨拶をしてリビングを出る。廊下でも飽きずにキスを繰り返して、ベッドルームの床に着ていたものを脱ぎ散らかして。
 そこまでは、いつもと変わらない甘さに満ちていた。
 笑いあいながら倒れ込んだベッドの、ヘッドレストに置かれた小さなノートとペンがイワンの視界に入り、それにキースも視線を投げたのを認めると、イワンの目許が強張った。
「なんですか、これ」
 イワンはそれをひょいっと掴みあげた。
「どこかの小説家みたいに、目が覚めたらすぐにアイデアを書き留める習慣なんてないでしょう?」
 キースが困ったような顔で何か言おうとする。貸して、というように手を差し出すのをかわしたら、勢い余ってベッドの下に放り投げてしまった。ペンがくるくると回りながら消えてゆく。
 投げ捨てるつもりはなかった。床に落ちた文具は甘い空気にそぐわない音を立てたのだろう。キースの眉がピクリと持ち上がる。イワンは息を吸う。次に口から出てきたのは謝罪でも反省でもなく、どこか責めるような響きだった。
「何て書く気でいたんですか」
 イワンにだって分かっている。緊急時に身振りや手振りだけでは伝わらず、危険を招いてしまいかねないことは。そのための、万が一の備えかもしれないことは。
 それでも、そんなものを見せられたくはなかった。少なくとも、今ここで。幾度も準備万端に先回りされた一日の終わりの、ベッドの上でだなんて。波のようにひたひたと、惨めな気分が全身を覆っていく。
「いらないです。あんなの」
 言いながら膝を伸ばしていって足を投げ出す。ズルズルと尻がシーツの上を滑って寝そべる恰好になった。
 キースもそれを追うようにして隣に腹這いになる。肘をついて上半身を支えると、首をイワンのほうへ向けた。
 イワンは口を開いた。
「……好きに、してください」
 視線は前に据えたまま、だから天井を見つめている。誘いの言葉とは思えないぶっきらぼうな口調で言った。
「ああしてこうして、って言われても聞こえないんだし。どうって訊かれても、わからないから、どうせ」
 一息に言ってしまわなければ、というように早口で告げる。
「それとも…好きもなにも、別に…ないですか。したいこととか、っていうか、特にその」
 尻すぼみになって消えていく声。
 ごめんなさい、と付け足しそうになって、それだけは言うまいとイワンは唇を噛んだ。
「そんなわけ、ないだろう」
 キースがぽつりと言った。
「したいことは、いつでもたくさんあるよ。ありすぎて、持て余してる。きみを前にすると、少し怖くなるくらいだ」
「でも、もし、まだ……ちょっとでも、したかったら……」
「いいの?」
 イワンがようやく首を横に倒すと、キースは目尻を下げて眉を寄せ、泣いてしまいそうな表情に見えた。
「キースさん?」
 呼びかけに応えるように、キースはイワンの上にゆっくりと乗り上げた。

(後略)

 ■ ■ ■ サンプルおわり ■ ■ ■
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Posted on 2012/08/07 Tue. 21:05 [edit]

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