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コミックマーケット87 新刊 「What's biting you?」 

2014/12/28(日)の「コミッケマーケット87」・1日目に参加します。
サークル名「OKOnomy」、配置は東4ホール"ヨ"47-bです。

新刊は、『What's biting you?』 R-18です。
オフセ・44p・500yen

biting you



<STORY>
年末に近づくにつれて会えない日々が続く二人。交際から日の浅いイワンにとっては自分からどうアプローチしたらいいかわからなくて――。

サンプル部分を読んでいただけたらお分かりかと思いますが、
ちょっと欲求不満気味で妄想(空想?)力の高めなイワン視点です(^_^;)
いつものもだもだ…且つ!悶々としてもいます(笑)。

他に兎と獅子がちょこっと出てきたり、
モブ折(←雰囲気程度…)とか睡姦っぽい場面(←こちらは空折ですのでご安心を!)とかあったり、
あと、古きよき少女マンガみたいなじれったさや壁ドンも盛り込みました(だから頁数が長くなりました…)。
そのあたりひっくるめて平気そうな方はよろしくお願いします。

(あああ…コミケに新刊出ます、ってアナウンスできる、この幸せ!充実感!)

--------------------------------

『What's biting you?』 R-18 ~サンプル~

(本文冒頭部分です。)


 こんなはずはないのに、と思う。
 昼に何を食べるかだって決めかねるほうなのだ。
 なのに。
 売り切れたランチセットを今日はどうしても食べたかったとか、ブランドの限定品のアクセサリーが手に入らなかったとか、大好きなアニメを録画し忘れた上に見逃したとか。そんなことで嘆き悲しむ人たちのことを鼻で哂っているような節が自分にはあった、とイワンは思う。
 何かの間違いじゃないのかと思い、事実を認めるまでに結論の周りをぐるぐると足踏みしたりもしたが、気づいてしまえばどうしようもなかった。
 この、何日か前からの落ち着かない気分の原因は、結局はシンプルなたったひとつの欲求に集約される、らしい。
 どうやら――いや、誰が聞いているわけでもない、ここは正直にいこう――自分はセックスが、したいのだ。
 子供の頃、熱に浮かされたみたいにエロチックなことを見たい、知りたいと無闇に欲した気分とも違う。のべつまくなしに嫌らしいことを考えてしまうとか、とにかく体がいうことをきかなくて何が何でも性器をこすりたてたいような気分でもない。
 ふっと目を上げると、小さな液晶画面が視界に飛び込んできた。そこには音のないCMが流れている。愛くるしい子役が元気いっぱいにジュースを飲み干すと画面にはクロノスフーズのロゴマークが映り、続いて、思いがけない映像になった。
 先ほどの子役に負けないくらい元気よく、両手を斜め上に掲げたポーズで一人の《ヒーロー》が登場した。声はしないはずだが、『こんにちは、そしてこんにちは!』と明るい声が聞こえてきそうだ。所属するポセイドンラインが開始するキャンペーンの宣伝をして、またしても元気いっぱいに手を振る《ヒーロー》――スカイハイ。
 こうやって乗り物の中でも街じゅうのポスターやビルボードでも、いつでも見かける姿だ。凛々しく、恰好いい。
 そんな《ヒーロー》、の中の人――キース・グッドマンという、これまた恰好よくて爽やか、笑顔がチャーミングで……そういう人とセックスが、したいのだ。このところずっと、そのことでくよくよしているのだ、自分は。
 イワンは細く長い息を吐き出すと、ことりと首を垂れた。ほんの少しの動きのつもりだったが、目の前にあったのは分厚いガラスの嵌ったドアで、ああここはモノレールの車内だったと思い出しながらイワンの額はそこに当たると鈍い音を響かせた。
 傍に立っていた学生風の青年が、イワンの頭が奏でた鈍い音に顔を上げる。彼の手の中のクリップで束ねられた真面目そうな文献が目に入って、イワンは非常に申し訳ない心持ちになった。


 ジャスティス・タワー中層階の一フロア。
 ここが何に使われているかを知る人間は、そう多くない。
 ロビーの案内板を眺めてもこの階の表示はなく、初めての訪問者はきっと上下の階と同じように、会議室が並んでいると信じるだろう。
 もし実際に上ってきたところで、エレベーターを降りてすぐ常駐するセキュリティガードに呼び止められてしまうのだが。このフロアの奥へは限られた人間しか進むことができない。
 いま、エレベーターから降りてきたのも、そんな限られたうちの一人だ。
 以前はたびたびセキュリティガードにIDの提示を求められていたことも今では笑い話になっている。
 制服姿のガードマンが会釈して彼を見送ったが、廊下に視線を落としてとぼとぼ歩く当人は『いつもの地点』だと察して機械的に顎を沈めただけらしい。
 IDにはヘリペリデス・ファイナンス所属、イワン・カレリンと記されている。このフロア――《ヒーロー》専用のトレーニングセンターを使用する許可を受けた数名のうちの一人、《折紙サイクロン》でもある。無論IDにそんな記載はないが。
 肩を落として背を丸めたまま廊下を進み、ひとつのドアの前で立ち止まる。一瞬、ためらう様子を見せたが、ゆっくりと手を伸ばすと、青い文字で「ロッカールーム」と書かれたドアをノックした。
 中からは何の返事もなく、イワンは小さく息をついてからノブを回す。
 案の定、室内はガランとしていた。さっきまで誰かがいたような気配もない。奥のシャワールームからも湿気っぽい空気も漂ってこないし、今日はイワンがこの部屋に一番乗りをしたのかもしれなかった。
 誰もいなかったことで、がっかりしたのかほっとしたのか、イワンは自分のロッカーに向かうと、その扉を開ける。
 トレーニングに来たのだ。ウェアに着替えなくては。
 小さな空間に見慣れたウェアとタオルが用意されていた。それを目にしながら、またぼんやりしてしまう。
 イワンは自分を、切り替えの早いタイプだと思ってきた。
 粘り強く一途なことと、切り替えの早さは別物だ。
 たとえば、ヒーローには不向きだろうとどんなに周囲から忠告を受けても、その夢に関してだけは諦めることはなかったし、自分のせいで刑務所に入ることになってしまった友人について長らく悔やみ、思い悩んできたのは確かだ。
 けれど、ヒーローとして採用される可能性がある、と聞けば本来の性格とは真逆のハイテンションで少々軽薄なキャラクターを演じることもちっとも厭わないし、採用後、今度はポイント獲得は二の次でスポンサーロゴを映りこませなさいと言われれば、いかにしてマニア心をくすぐれば良いか研究を重ね、見切れることに邁進し続けた。元々の目指す姿と違っていても、まずはとにかくヒーローとして定着することだと割り切ることができた。
 買い逃した限定品や見逃したTV番組だって、どうにかなる可能性があれば努力をするが、今さらどうしようもないと判断すれば、そこで気持ちを切り替えることができた。
 目の前にない、手に入らないものに思いを馳せたって時間の無駄なのだ。
 ぼぅっとしていたせいで余計な失敗をするとか、ストレスから体調を崩すとか、子供の頃に散々体験してきたイワンは「諦めのルール」とでもいうようなものを身に着けていたはずだった。
 そう、今までは。
 それがここ数日は、少し暇ができればくよくよと思い悩み、毎度同じ地点まで思考が到達しては我に返る。その繰り返しだ。
 こんなふうになるとは思わなかった。好きだって気づいたときより、それでどうしたいんだろうって考え込んでたときより、最初のデートらしきものに漕ぎつけるまでより、ずっとたちが悪い。そうイワンは振り返る。
 初めてキスしたあとだって、それこそセックスって呼べる行為を終えてからも、こんな気分にはならなかった。
 今日はモノレールの中で頭突きをして学生を驚かせたようだが、このところ、グラスをひっくり返したり、荷物を置き忘れかけたり、寝過ごしそうになったりしては、自分で自分に驚き、落胆しているのだった。
 頭をブンブンと振って、止まっていた手をジャンバーの襟元に持っていく。上着は引き剥がせたが、頭の中の考えは追い払えなかった。
――会えないのが悪い。と、イワンは考える。
 イライラしてしまう現状をどう変えるかではなく、原因を、いや八つ当たりする先を見つけようとしていた。
 これが他人事であれば、きっとイワンは内心で『人間って「どうしたらいいか」よりも「できない理由」だったら幾らでも思いつくんだ』などと嬉々として評しただろう。
――もう三週間は会えてない、し……次に会う予定だって決まってない。
 そのことに気づいて、がくりと首を折る。
 街は、ハロウィンというイベントを終え、今度はホリデーシーズンへ向けて加速していくところだった。
 イワンも、他のヒーローたちほどではないにしろ、折紙サイクロンとしてクリスマスのスペシャル番組やら、季節限定CMの収録に追われていた。
 先週は、CMの撮影にかかりきりで、それというのもCMから派生した特設WEBサイトに《見切れ職人・折紙サイクロンを探せ!》というゲームコーナーを作ってもらったお陰で、市内の様々な名所でのロケ三昧だったのだ。
 ヒーロースーツを着ているとはいえ、北風の強まる中、カメラがズームアップしてくれるまで物陰から顔をちょこんと出した格好で身動きしないでいるという仕事は、少々寂しくもあった。それに、待機時間の多さもあって、イワンはどうしても思考をループさせ気味になる。
――次、いつ会えるんだろう。っていうか、これからさらにスケジュール詰まっちゃうんじゃないかな。クリスマスもニューイヤー・イブも時間なんて作れるんだろうか。
 自分だけの問題ではない。例の欲求は、単に行為を欲しているのではなくて、「《あの人》としたい」という意味だ。
――こんなおかしな気分になるのは、この間が、良すぎたからだ。
 いつの間にか、以前の楽しかった思い出にまで八つ当たりを始めている。
 まだ片手で数えられるほどしか経験していないけれど、だからこそ、この前のは、すごくよかった、と思う。
 だけど、感覚がそんなに長続きするとも思えない。何度も反芻するうちに、ちょっとした美人がものすごい美人になってしまったり、まぁまぁ美味しい料理が奇跡の一皿に思えてくることだってある。記憶は当てにならない。ひょっとして自分の感想も、ここしばらくのうちに美化されているのだろうか。少しばかり不安になる。


 三週間ほど前のあの夜のことだ。
 お互いに予定が変更に次ぐ変更になってしまって、一度はデートがキャンセルになるかと思われたが、かえって幸運に転じることになった。
 夕食を一緒にとるのは難しくなった、という話のあと。部屋で待っていてもらうわけにはいかないかな、とキースが切り出したのだ。申し訳なさそうな声での通話の最中に、ぽつりとそう言われた。
 翌日に朝一番から仕事が入っていない日を選んで会うことにしたのだから、夕食を終えたら当然そういう成り行きになるとは思っていた。その前も、その前の前だってそうだったのだし。でも、本人のいない部屋に入って待つというのは、イワンでは思いつかない選択肢だった。
 自分が何と答えたか、イワンの記憶はあやふやだ。しかし、音量のかなり大きな「そうかい?!」というキースの声で耳がキーンとなったことはよく憶えている。
 それでは、と二人はどうにかスケジュールの合間を縫って顔を合わせることにした。鍵の受け渡しをするのだ。バイク便か何かに頼ることもできたが、それではまるで何かの任務のようだし、やはり会うべきだろうという雰囲気になった。
 複合オフィスビルの中庭でキースに駆け寄られて、挨拶もそこそこにジーンズのポケットから無造作に掴み出された鍵を手に載せられたイワンは、何だかとてつもなく疚しいような後ろめたいような気分がした。
「それはちょっと特殊な鍵らしくて、合鍵を作るのに時間がかかるそうなんだ。だからその、今日のところは」
 まるで、次回までには合鍵を用意しておくとも取れる言い方をする。
「あの、なくしたり、しませんから」
「ぜひお願いするよ。二人して家に入れなくなってしまうからね!」
 イワンの緊張を見て取ったのか、キースは大袈裟に肩をすくめて見せる。イワンもどうにか、控え目な笑みを浮かべた、と思う。
 中庭で二人は別れ、それぞれ別の方向へと歩み去った。
 イワンは、それから社に戻ると打ち合わせの仕事をこなし、街で買い物や食事を済ませた。
 それから、何度目かの訪問になるが、一人で訪れるのは初めてのキースの部屋へと向かう。緊張しながら玄関をくぐり、恐る恐るリビングへと入ったが、定位置のケージの中でゴールデンレトリバーのジョンは、吠えることもなくイワンに尻尾を振ってくれた。
 自分の部屋にあるものより大きなTVをジョンと一緒に眺め、適当なコメントをジョンに向かって放ったりしていると、ふいにジョンが体をひねってリビングと廊下を繋ぐドアの方向に顔を向けた。
 玄関の外の物音が聞こえるわけはないだろうと思うが、ジョンはパッと立ち上がるとドアに走り寄り、ここを開けてくれという顔をしてイワンを振り返る。勿論、それを叶えてやってから、イワンもそのあとに続いた。
 予想通り、と言うべきかすぐにチャイムが鳴り、イワンはドアに飛びつくようにして鍵を開けることになった。
「わぁ、早いね! びっくりしたよ。まさか、ここで待ってくれていたのかい?!」
「いえ、そこまでは……ジョンの超能力っていうか……ついてきたら、キースさんが。あっ、おかえりなさい」
「ふふ、ただいま。へぇ、いつもはケージに入ってもらっているから知らなかったな。ジョン、きみはすごいね」
 キースに撫でてもらいながら、ジョンも得意げな表情に見える。
「不思議な感じがするよ。家に帰ったらきみがいてくれて」
「ええと……はい。僕も、です」
 人の家で、その家の主を『おかえりなさい』と出迎えるなんて、はじめての経験だ。
 しかし、そこからどうしていいかわからない。食事を用意しているわけでもないし、さあさあこちらへどうぞ、とやるのも妙だ。困ったように視線を左右に振るイワンにキースは言った。
「ああ、誤解させたらすまない! きみとジョンが一緒に迎えてくれて、とても嬉しいよ。すごく幸せだ」
 ストレートに告げられて、イワンは落ち着くどころか、くすぐったさに益々どうしていいかわからなくなる。
「あ、はい。あの……僕、もです」
 どうにかそれだけ返すと、キースは微笑んでイワンの両手をとった。掬い上げるようにして、まだ大きさも厚みも敵わない手で包み込む。
「今日は来てくれてありがとう。私のわがままを聞いてくれて」
「そんな。会いたかったのは、僕もだし……あの」
「うん?」
 何か甘い言葉をもらえるのかと顔を近づけるキースを見上げ、イワンは小さく笑った。
「手、冷たいです」
「そうか、そうだね! ずっと外にいたからだ。ごめん」
 緩くかぶりを振りながら、イワンは包まれている手を反転させるとキースの手を握った。強く握れば暖めてやれるわけではなかったが、なぜだかそうしたくなったのだ。
「リビングのほうが暖かいですよ」
 うん、とキースが応え、けれどその足はそこから動かなかった。
 わずかに身を屈めるようにして首を伸ばすと、唇に唇を重ねてくる。イワンも動きを止めて、キスを受け止める。
 しばらく呼吸を分け合うように二人は唇を重ねていた。握りあった手は固く指を絡めあっているのに、唇はそっと触れ合う程度だった。
 そのうちに、キースが自分の手を引き戻す動きを見せ、イワンは手から力を抜いた。するりと抜け出たキースの手のひらは、イワンの髪を撫で、肩から背中へと降りていく。
 抱き寄せられるかとイワンは身構えたが、そうはならなかった。キースの両手はするすると背中を下って、イワンの尻を強いくらいにカーゴパンツ越しに掴んだ。
 同じタイミングで唇が離れ、息を吸い込むイワンの小さな声が漏れる。キースは首を倒して、こつんと額を合わせると、両手に掴んだものを揉みあげ、今度は指もいっぱいに伸ばして擦るようにする。イワンは解放されてしまった唇から戸惑いの滲んだ吐息を零した。
 キースは半ば目を閉じ、ほとんどうっとりとした表情で悪戯と呼んでいいかわからないような手の動きを続けている。イワンは混乱した。一応、今までにそれなりのことを二人でしてきてはいたが、それは愛の言葉や深くなったキスのあとに続くことで、こんなふうに立ったまま、玄関先で始まった試しはなかった。それも、今日は表で数分間顔を合わせただけ、つい今帰ってきて挨拶を終えたばかりだというのに。
 キースの手は、カーゴパンツを真ん中から裂いてしまいそうなくらいに揉みしだいてくる。片手が離れた、と思ったら、その手の指が中央の縫い目に沿って上下し始めて、イワンは自分が本当は服を着ていないんじゃないのかと錯覚しそうになる。
「……キース、さん」
 やっとそれだけの声をイワンがあげると、それに続けてジョンが「クゥン」と困ったような声を発した。
 キースはちらりと低い位置にいるジョンに目をやり、「すまない、きみを放ったらかして」とつぶやく。
「……だけど、すごく嬉しくて」
 これはイワンへの言葉だ。まだ、ズボンの上から尻の間を指の先でつつきながら、囁くように言う。何と答えていいかわからなくて、イワンは長く息を吐いた。
 それから二人でリビングに行って、宥めながらジョンにはケージに入ってもらい、お休みを言って廊下に出る。
 リビングのドアが閉まりきらないうちから、二人は互いの体に腕を回して唇を重ね合っていた。
 キースはイワンの背に回していた手の指を開くと、タンクトップを掴んで引っ張りあげようとする。布地の端がベルトの下から抜け出ていくのに気づいて、イワンは顎を引くとキースとの間に隙間のできた唇を開いた。
「ちょ、っと……あの……」
 慌ててそれだけ言う間にもタンクトップはずるずると引き上げられていく。ここで服を脱がなくてもいいではないか、と思う。その意見が通じたのかキースは「つい、ね」と笑って手を離した。
 と思ったら、今度は表に出たタンクトップの裾から手を差し入れてくる。それは背中に触れるためではなかった。
「随分ゆるいね」
 ベルトの下に入った手は、あまり無理をしなくてもそこを越えていってしまう。ベルトをしているといっても、イワンがズボンをルーズに履いているせいだ。ちょっと迷ったようだが、キースの手は下着にまでは潜りこまずにその上からイワンの尻の丸みをなぞることにした。
「……だ、から、なんで、ここでっ」
 イワンは背を反らせるようにして、キースから距離をとろうとするが、なにせ腰を抱きかかえられているのだ。動きを先読みされて、キースが腕に力を入れればあえなく手前に引き寄せられてしまう。それも、二人の臍のあたりがぶつかるほどだ。お互いのベルトのバックルが鳴った。
「手は、もう冷たくない?」
 笑みを浮かべたまま、キースは訊いてくる。確かに、ひやっとする感覚で身が竦むことはなかった。イワンは仕方なく小さく顎を引いてやる。
 キースが顔を傾けて唇を求めてきて、イワンのほうは全部思いどおりにはさせないとでも言うふうに顔を背けた。恋人の唇を捕まえ損ねたキースの唇が、宙で開閉するのが見える。そのコミカルな様子にイワンの口元が緩んだ。唇を重ねることは諦めたのか、頬でも目尻でも構わないという調子でキースは次から次へと唇を押し当てていく。大雑把な感じが面白くなってイワンが笑い続けていると、忘れちゃダメだよと教えるように、キースの手が尻をきゅっと掴んできた。カーゴパンツ分の厚みが邪魔しないだけ、刺激はダイレクトだ。イワンの喉から熱のこもった息が吐き出された。
 ほらね、と言いそうな笑いがキースから漏れれば、イワンも多少ムキになって二人の体の間に手を滑りこませ、キースのジーンズの前を爪で引っ掻くようにしてぐりぐりと弄り返してやる。
 酔っ払い運転のように廊下をふらふらと進みながら、あちら側の壁に寄り掛かれば服の下に潜り込ませた手が怪しからぬ動きをするし、こちら側の壁に押しつけられるとキスが深くなる。
 寝室に辿り着くまで、子どもがふざけあうみたいに互いの体をまさぐりあったせいか、もう気持ちのほうはひどく高いところまで押し上げられてしまっていた。寝室のドアを開けたところで、待ちきれないとばかりにキースがイワンのベルトを抜きにかかる。される側もほとんど同じありさまで、ドアを開け放ったまま、枠木にしがみついた恰好でキースのするにまかせた。カーゴパンツは床に落ちて、内側の熱で形を変えている下着も膝まで下ろされていく。
 イワンは斜め後ろに伸ばした片手でドア枠を掴み、もう片方の手を前方に突っ張って反対側の枠で体を支えた。キースがその腕の作る橋の下をくぐって膝をつくと、弾み出たイワンの昂りを大きく開いた口で飲み込んだ。
 あと数歩の場所にベッドがあるのに、そんな家具は魔法やNEXTで隠されてしまったかのようだった。キースの口元から水音が漏れ、イワンの唇からは甘ったるい吐息が、さっきまでじゃれあっていた廊下へと零れていった。


(サンプルは以上です。)


(後半は仲直り(?)Hもちゃんと(笑)ありますので!
……よろしくお願いします!)

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Posted on 2014/12/15 Mon. 17:45 [edit]

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