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わたおり新刊 「 Jigsaw 」 

2014/08/10(日)の「私の折紙くん」に合同スペースで参加します。
サークル名「OKOnomy & Nono Come」、配置は"T"01です。

新刊は、『Jigsaw』 R18 (オフセ・36p) です。

2014/11/10追記:
同人誌は完売しました。本文PDFデータのみを、BOOTH 「OKOnomy」にてDL販売しております。
(本の形式での再販予定はありません。ご都合に合わせてご利用下さい。)

jigsaw-hyoushi

サンプル(本文冒頭)を読んで頂くとお分かりになるかと思うのですが、
空→折スタートの…しかもいつの間にかくっついちゃってる(?)関係に、
イワンが「なんでこんなことになってんの?」「これってつきあってんの?」「っていうかヤっちゃう?え?」「え?あれ???」みたいなカンジで進むお話、です。
(ますますわかりにくくなったぞ。)

えーと、今回、イワン一人称に初挑戦しました~。



 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

『Jigsaw』

(本文冒頭部分です。)


 あれは失敗だった。
 ショッピングカートを押してゆっくりと歩きながら、そんなことを考えている。
 横から伸びてきた手がカゴの中に牛乳パックを入れた。ヨーグルトの箱も。
 衝撃とも呼べない衝撃にカゴが震えて、鈍い音をたてる。
「ああ、そうだ」
 牛乳とヨーグルトをカゴの中に放り込んだ人は踵を返した。僕はハンドルを掴んでいた手に力を入れて、カートを引き戻す。車輪のついたカートを方向転換させようとすると、振り向かずに「すぐ戻るよ」と声をかけられた。
 ハンドルから片手を離して、傾いてしまった牛乳パックを真っ直ぐに直すとカゴの端に寄せる。
 どうしてこんなところにいるんだろう、と思う。
 買い物につきあってほしいと言われたからだ。そんなことはわかっている。記憶喪失になったわけじゃない。
 どうして、僕は呑気にスーパーマーケットの通路でショッピングカートを押しているんだろう。
 カートをゆっくりと押して、乳製品の棚の前を進みながら考える。
 あんなことは間違いだったのに。
 かしゃん、とカゴが鳴る。ブルーのカゴの真ん中に鮮やかな黄色の固まりが現れた。
「さっき通り過ぎてしまってね」
 言葉どおり、すぐに戻ってきた。レモンを五つ両手で包んで。僕がカートを押して歩けば、カゴの中に放り出されたレモンがバックコーラス隊みたいに左右に揺れる。
 レモンが五つ。レモンってどれくらい日持ちするのかな。これを何日で消費するんだろうか、この人は。
 何となく顔を上げると、隣を歩く人と目が合う。当たり前だ。すぐ横にいるんだから。そっと視線を外した。
「他にほしいものはない?」
 尋かれた僕は首を横に振る。
「そう。じゃあ、レジに行こう」
 僕の前に回って、どのレジの列が一番短いかなぁと首を振っている人を眺める。見慣れた後ろ姿を。
 陽に透かして見たハチミツみたいな色のブロンドの髪と、その下に続く真っ直ぐな首筋と背筋。大股で真ん中のレジの列に並びながら、僕に向かって振り返ると軽く人差し指を振ってこっちだと教えてくれる。
 小さくうなずいて見せ、カートを押して進みながら僕は考えている。
 どうしてこの人と僕はスーパーマーケットで買い物なんかに勤しんでいるんだろう。それも、こんなにどうしようもないほど普通なカンジで。
 あれはひどい間違いだったとしか思えない。だけど同時に、間違いなく起きてしまったことだ。
 この二週間、何度も考えてきたことだった。
 ちょうど十四日前。僕は彼と寝た。


「キースさん」
「何だい」
「あの、少し持ちますよ」
 スーパーマーケットを出て、僕らは歩きながら喋る。
「どうして。これは全部私の荷物だよ」
「でも」
 徒歩で向かっている先は彼の家だ。
「僕だけ手ぶらなのって変じゃないですか」
「そうかな」
 キースさんは首をひねる。
「でも、ここにあるのは私が購入した私の食糧で、第一、袋がひとつだしね」
 長年勤めてるって雰囲気のレジ係のおばさんは、お天気やら近くに建設中のビルの話をしながら、キースさんが買った商品を大きな紙袋に素早く詰め込んでいったのだ。
「じゃあ飲み物のパックだけでも僕が」
「剥き出しで持つんじゃ持ちづらいだろう。構わないよ」
 僕は構う。手持ち無沙汰だ。
 隣を歩きながら、前にもこんなことがあったと思い出す。キースさんが食料品の入った大きな紙袋を抱えていて、僕は荷物を持っていなかった。いや、違う。あの時は、ジョンが一緒だった。僕はジョンのリードを持っていたんだ。持っていたというより、犬に引きずられるみたいにヨロヨロ歩いてはいたけど。
 あれは、かなり前のことだ。いや、半年くらい前かな。立ち寄った店も今日のとは違って、確かベーカリーだった。焼きたてのバケットがいい匂いをさせていた。
 ジョンが飛びついて来ないように気を配りながら、キースさんは紙袋から突き出たバケットを僕の鼻先に差し出した。僕は美味しそうな匂いだと何回も言ってしまって、家に着いたキースさんはすぐにバケットを一片カットすると、ハチミツを添えて紅茶と一緒に出してくれた。
 あの時は、あんなことが起きるとは考えてもみなかった。
 ハチミツをかけたバケットと紅茶をご馳走になった同じ部屋で、それから半年くらい後に――。
 何がいけなかったんだろう。この二週間、考え続けたことをまた考え始める。
 僕は、キースさんに憧れていた。キースさんが演じる…というか、ヒーローのスカイハイであるところのキース・グッドマンという人に。
 僕自身、曲がりなりにも折紙サイクロンというヒーローとして活動はしているけれど、何ていうのか他のヒーローと比べても、キースさんとスカイハイは存在がすごく近くて、《ニアリーイコール》って感じがする。
 だから、知りたくなった。どんなトレーニングをしているか、ヒーローを務めるにあたっての心構えはどんなか。
 普段の暮らしについても興味を抱くのに、そんなに時間はかからなかった。そして、キースさんのほうも休みの日に食事や買い物、飼い犬の(本人の言を借りればソウルメイトだそうだけど)ジョンの散歩に時々誘ってくれるようになった。後輩っぽいスタンスの人間が他にいなかったから、相手が僕みたいなのでも嬉しかったのかもしれない。
 僕だってそうだ。普段のことをあれこれ気楽に話せる相手は中々いない。会社のヒーロー事業部の人たちと雑談くらいする。でも友達ってわけじゃない。同年輩のヒーローは二人いるけど、あっちは女の子どうしで仲良くしているみたいで、僕とじゃあんまり話が合わない。
 そういう下地がなかったら、ああいうことは起きなかったと思う。
 二週間前の今日。キースさんから食事に誘われた。
 アジア料理を配達してくれる店が近くにあるんだ、家に来ないかい、って。メニューを見て、日本料理もそこそこあるし、僕は機嫌よくイエスと返答した。
 キースさんの部屋にお邪魔して、二人で食事をした。料理には満足だった。自分の注文した分の料金は自分で払おうとして少しばかり押し問答になって、それでも紙幣を何枚か受け取ってもらって一息ついたところだった。
 こういう場合は感謝を伝えて、奢られておくべきだったのかもしれない。ちょっとばかりムキになって主張してしまったと僕は反省した。
 照れ笑い的なものを浮かべて顔を上げようとして、何かが変だと気づいた。
 キースさんは困ったような、具合でも悪いような顔つきでこっちを見ていた。僕らはソファの両隣に腰を下ろしていた。僕が何か質問する前に、キースさんはソファの上をにじり寄ってきた。
 きれいだとか何とか言われたはずだ。きみは最近とてもきれいになった、みたいなことを。
 変なんだけど、ここが一番記憶が曖昧で、でもとにかく何か褒め言葉を言われたのだ。
 きれいになった? 僕は聞き返したらいいか吹き出したらいいのかわからなかった。遠い親戚のおじさんが年頃になった姪っ子か何かに言うような台詞だ。
 容姿のことだけじゃない。ヒーローとしての仕事ぶりだとか、精神的にも成長したとか、色んなジャンルでも活躍しているとか、キースさんは次から次にそんなことを言った。それが後から出てきたってことは、やっぱり最初に言ったのはきれいだって褒め言葉だったんだと思う。
 言われた言葉のどれも、ピンとこなかった。
 それにその日、キースさんはデビューしたての頃の僕くらいに歯切れの悪いボソボソした喋り方をしていて、何を言われているのか聞き耳を立てるのに必死になっていた。食事が終わるまでは、いつもどおり快活なキースさんだったから、僕の頭の中は何がどうなってるんだろうって疑問で一杯だった。
 もし僕が女の子だったら、とその日から三日くらい経って、僕の鈍い脳味噌はようやく思い至った。
 女の子が、きみは最近きれいになったね、ってソファの上で寄り添っている男の人から囁かれたら、ああついに来たのねってうっとりと瞼を閉じるか、大変だわこっちはそんなつもりないのよって跳ね起きるか、どっちかだろう。どっちの選択肢にしたって、女の子たちなら即座に反応できるんだろうと思う。
 僕は違った。
 女の子じゃないし、女の子的な思考回路を持たない僕は、そういう可能性に気がつかなかった。こういうのって訓練っていうかシミュレーションしていないと無理らしい。
 素敵だ、可愛いよって囁かれて、手を取られて、肩に腕を回されて、手のひらが背中を滑り降りてきて、ソファに横倒しになってはじめて「あ」って声が出た。
 何とも間の抜けた話だけど、その小さな「あ」って声も、うっかり何か荷物を落としてしまったみたいなニュアンスに聞こえた。自分で聞いても危機感ゼロの声だったのだから、キースさんが気に留めてくれるはずもなかった。
 小さな声をあげたために薄く開いた唇に、キースさんの唇が重なった。触れて、離れて、押しつけられては退いて、今度はちょっとだけ咬みあわせられて、引いて、唇の表面をくっつけあったまま「好きだよ」って言われた。
 ここで僕は腕を振り回すなり、脚をばたつかせるなりして、とにかく抵抗すべきだったんだと思う。ソファから転げ落ちたってよかった。だけど、そうはならなかった。
 ドラマなんかでこんなシーンは何度も見たことがあった。好きなんだエイミー、だめよトムいけないわ、って。でも僕は抵抗らしい抵抗ができなかった。だって、こういう展開が僕の人生に起きるなんて予想外だ。それに、ここにいるのは僕ですよ、わかってます? そっちはキースさんでしょう? って感じだった。
 そういえばこの日、ジョンはペットサロンに行っていて留守だった。部屋に上がる前に玄関でそう聞かされていた。もしかしてジョンがいないのは、最初からこういうつもりがあったのかも、と僕は唐突に考えたりした。
 頬や耳の縁を何かがなぞっていく。それはキースさんの指で、キスしながら顔に触れたりするのは当たり前のことかもしれないけど、その指が冷たくてがちがちに硬かったから、一瞬ボールペンの軸でも当たっているのかと思ったくらいだ。僕はだらんと垂れていた手を持ち上げて、自分の顔の横に添えた。キースさんの手の上に。その手は驚くくらい冷たくて、攣っているみたいに細かく震えていた。驚いた拍子に僕は咽た。
 手の冷たさに驚いたからじゃなくて、たぶん僕は呼吸ができていなかったんだと思う。唇が重なってから、息を吸ったか吐いたかした記憶がない。まぁ呼吸なんて意識してするものじゃないけど、息を止めていたかもしれない。
「大丈夫?」
「ちょ、ちょっと」
 ちょっと咳込んだだけです、と言いたいのか、ちょっと止めてください、と言おうとしているのか自分でもわからなかった。首を倒して何度か空咳をして、唇を拭ったら指先がぬるっとした。口の周りに唾液がついている。キスをしたらまぁそうなる。けど、涎を垂らしてるのを見られてると思うと何だか焦って、僕は手の甲で唇を幾度も拭った。
 顔を背けたままでいたら、今度は唇が頬に触れた。頬の上で何度も水音をさせて、キースさんの唇は僕の唇の脇をかすめていく。顎のラインに沿って昇っていって、あのペン軸みたいに硬い指が僕の髪をぎくしゃくと押し退けた。唇が耳に押し当てられる。くすぐったいっていうか、大体、耳なんていつも髪に隠れていて自分でもほとんど触らないし。感じる、とかそういうんじゃない気がしたけど、とにかくキスされてる側の首も腕もぞわぞわして、僕は海老みたいに跳ねた。耳朶を唇で挟まれて、またそこで「好きだ」って言われて、確かにキースさんの声なのに誰の声かよくわからないし、声は頭の中で聞こえたような錯覚があって、いくらなんでもこのあたりで飛び起きそうになった。
 僕が飛び起きないで動きを止めたのは、脇腹のあたりでキースさんが手をもぞもぞ動かしていたからだ。人にくすぐられることがあんまりないから気にしたことがなかったけど、僕はくすぐられるのに弱いらしい。
「ちょ、っと、あの」
 キースさんは僕をくすぐろうとしてるわけじゃなかった。そりゃそうだろう。僕のタンクトップを引っ張りあげていく。指先が肌に触れた。冷たい。僕は身をよじる。
 キスは首筋に移っていた。脇腹から胸へと冷たい指が尺取虫みたいな動きでじわじわ移動していくせいもあって、僕の上半身に鳥肌を立たせる。
 ベルトのバックルがカチャカチャと音をさせて、僕は顔を上げた。目が合う。合うっていうか近すぎる。ジッパーが引き下げられる音がして、慌てて顔をそっちに向けた。ゆっくりしたジジジ、って音はちょっと間が抜けて聞こえる。いや、それどころじゃない。僕はまた顔を上げた。
「な、なにして」
 至近距離でもう一回視線を合わせた。ピントが合わない。僕は距離をとろうとして体をひねった。そのタイミングで全開になったジッパーの奥に指が捻じ込まれる。
 視界に入ったキースさんは、ものすごい必死の形相に見えた。とにかくそこに触らないといけない、っていうような。そこ、って僕の下着の中のことだけど。そんな馬鹿な。眉を寄せて、唇を噛んで、指を進めてくる。指がそこに到達して、僕は他人の指の感触と、それから体温の冷たさに肩をすくめた。
 その辺りで僕は抵抗する気がなくなってしまって、だからって自分から服を脱いだわけでも脚を広げたわけでもなくて、キースさんの下敷きになったままもぞもぞ動いてたわけだけど、とにかくなるように任せてしまった。
 恐怖に駆られたわけじゃない。そりゃあ、なんでこんなことに、って気はした。だけど、危害を加えられるとは思えなかった。痛めつけられるって感じじゃなかった。
 子どもの頃はよく苛められたから、暴力の予感っていうのには敏感なんだ。まったく自慢にならないけど。
 気分は悪くなかった。
 気持ちよかった、って意味じゃない。そりゃあ擦られれば勃ったし、出るものは出たけど、そういうことじゃない。
 キースさんという人が、この僕に、っていうか僕のあそこに必死になって手を伸ばして、摩擦して、どうにかして僕をイかせようとしているのだ。信じられなかったし、だけど目を開ければその様子が見えて、ものすごく集中してるし緊張もしているみたいで、顔だけ見たら爆弾処理でもしてると間違えそうだ。いや、間違えなかったけど。
 キースさんは僕のペニスを弄ってるっていうのに、丸暗記した取扱い説明書を思い出しながら懸命に作業してるような感じだった。僕は興奮するどころじゃなくて、そのはずなのに、他人の手が与えてくる刺激と、自分じゃないタイミングとリズムで触られたせいで、頭の中とは違ってその部分はそれなりに機能しはじめた。
 そうすると、パンツの前の合わせ目から引っ張り出された状態で膨れてるから、きつい。全部脱げばよかったけど、もうそれは叶わなくて、キースさんの手の中でびくびく震えだしたときにはちょっと痛いくらいだ。
 顔をしかめたら、キースさんは自分の手の動きが乱暴なんだと思ったらしくて「ごめん」と早口に言って、手のほうは緩々と動かした。違う。こっちは早く出したいのに。僕は両肘で体を支えると、狭いソファの中で脚を突っ張った。腰を突き出して、中途半端な触れかたになってしまったキースさんの手の中に自分のものを押しつける。
 そういう人が身近にいたことがないから本当かどうか知らないけど、浮気をした人って最初はそんなつもりじゃなかったとか、いつの間にか深い関係になってしまって、なんて言い訳をするらしい。
 歩いていたら雨に降られたわけじゃあるまいし。僕はそれまでそう思っていた。
 だけどこの日、こういうことって通り雨みたいに突然始まることがあるんだと知った。雨に喩えたけど、あの日の僕の場合は気づいたらもう濡れ鼠になっていて、大雨なのにいつ振り出したのか気づかなかったようなものだ。
 びしょ濡れになってからでも回れ右をして屋根のあるところまで引き返せたかもしれないけど、結局僕は、そうしないほうを選んだ。
 僕の意図はキースさんに通じたようで、手が僕のものを強く握って、もうぬめりを帯びた先のほうを指の腹が刺激してくれた。こっちも手の動きにあわせて腰を動かす。
 とにかく僕は、男二人が横になるには狭苦しいソファの上で、何となくそういうことになったんだなんて言い訳を、もう嘘くさいとは言えないなと思っていた。
 は、は、は、は、って短く荒い息を繰り返して、合間に唇を舐めながら腰を振っていた。いつの間にかすごく熱く感じるキースさんの手のひらが目的地になったみたいに。
離れちゃいけないとでもいうようにその手と同じ動きで腰をスライドさせる。
 背骨の底からぞくぞくする波がくる。もう何百回も経験したのに、いまだに慣れきることのできない、あの感じ。誰でも、幾つになってもそうなんだろうか。
 目を強く閉じた。


(こんなカンジです~。
興味を持たれたら、よろしくお願いします~。)


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Posted on 2014/07/29 Tue. 17:04 [edit]

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