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冬コミ新刊その2「片思INVADER」 

冬コミ新刊が届きました!
とりあえず、忘れないうちに書き下ろし新刊の情報をこの記事に載せます。

kataomoi
R18 『片思INVADER』(オフセ・44p)

ある朝、道を歩いていて様子のおかしなイワンに声をかけたキース。
イワンに「実は僕、宇宙人なんです」と打ち明けられて――。

…というような話です。
宇宙人(?)が出てきます。でも空折です。ラブいちゃ度高いと思ってます。
ギャグテイストも頑張りました。ラストは普通にeroもあるし……。
そして、「ついにバーナビーのファンを辞めたの?」と
草稿を読んでくれた友人に聞かれてしまう扱いをしているようです……。
(やめてないです! お笑い枠みたいな扱いだそうですけど、ハンサムだから無問題!)

ごちゃ混ぜどんと来い、という方はどうぞ!


以下、サンプルです。
 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


『片思INVADER』


   1.


 その日、キースが最初にイワンの異変に気づいたことは、結果的に見て、地球の平和に大いに貢献したと言えよう。


 街を歩いていて、困っている人を見たら声をかける。それはキースにとって特別な行為ではない。職業病と呼ぶ向きもあるかもしれないが、近所を散歩中に顔見知りに声をかけるのと同様、当たり前の習慣に近かった。
 その朝、休業日の理髪店の前に座り込んだ人影に近づいていったのもいつものことで、それが世界を脅かす事件と繋がろうなどとは考えてもみなかった。
 最初に見えたのは男性のものらしい靴底とカーキ色のズボンを履いた脚だった。閉まっているシャッターに頭突きするような格好で前のめりにしゃがみこんでいる。顔は見えない。具合が悪いのか、朝になっても目を覚まさない酔っ払いか。それなら身の危険さえある。今は冬も半ばだ。
 勤め先へと急ぐ人々は、彼のことなど見えないかのように足早に通りすぎていく。彼に意識を向けているのは、近寄ろうとするキースと、彼の体の脇で動きを止めたほっそりした猫だけだった。
 キースが近づくと、猫は好奇心に満ちた目でこちらを見上げてくる。
 声をかけようとしてキースが口を開きかけると、座り込んでいた彼のほうが急に動き出した。
 ゾンビ、という単語がキースの脳裏に形成される。
 無論、そんなわけはない。
 彼の動きはカクカクとしていて、それぞれの腕や足、肩や首がどれもバラバラに動き出したように見えた。
 不思議な動きだが、痛んだり苦しんでいるようには見えない。彼の動きを注視していたキースは、驚くべき発見に飛び上がりかけた。
「イ、イワンくん?!」
 シャッター前にしゃがみこんでいた人物はキースと同じくヒーローにして後輩にあたるイワンだったのだ。
「こんなところでどうしたんだ?! まさか具合でも」
 キースのかけた声に反応したのか、イワンは首を巡らせた。視線がかち合った。強い視線に射られる。キースは半歩、後じさりそうになってしまう。これがあの、いつもおどおどと俯いているイワンなのだろうか。
 顔は似ている。いや、そっくりだ。この服装も髪型も見覚えがある。けれど、どこかが違う。
 イワンは立ち上がろうとして動きを止めたのか、短距離走のスタート地点にでもいるような恰好だった。
「イワン…くん?」
 キースが呼びかけると、イワンは半端に屈んだ姿勢のまま首だけをにゅっと上に伸ばした。まるで亀だ。
「北緯四十度三十分二十五秒、西経七十二度五十分八秒……間違いないですか?」
「え? それは」
「現在地です」
「ええと、そうだ確か、このPDAでも緯度や経度を示せるはずで……」
 キースが手首に嵌った精密機器を操作する間に、イワンはゆっくりと立ち上がった。二、三度足元がフラついて、キースは慌てて顔を上げたが、イワンのほうは別段表情を変えなかった。
 イワンはストレッチ運動のようなことをしながら、徐々に背筋を伸ばしてゆく。そして、シャッターに向いていた体の向きを反転させた。キースは視線をPDAに戻した。
「ええと、きみはさっき何と言ったかな」
「北緯四十度三十分二十五秒、西経七十二度五十分八秒」
 即座に答えが返ってくる。それはPDAが算出した数字と寸分違わぬものだった。
「まさか、何となくわかるようになった…わけでは、ないよね?」
 キースは尋ねたが、イワンは質問の意味がわからないような顔で見つめ返してくる。
「そういえば、イワンくんもPDAを持っているのでは」
 キースがそう言うと、イワンは自分の手首を見下ろした。キースも今の今まで、イワンの奇妙な雰囲気に押されてそのことに気づかずにいた。
「ああ、いや! 自分でやれと言いたかったわけではなくて……当たり前のことを忘れてしまうくらい具合が悪いのかと」
「……イワン…イワン・カレリン……」
 イワンはそう声に出した。まるで舌に馴染ませるように。
「今日のイワンくんは…その、少し雰囲気が違うね」
 キースは戸惑いながらもそう告げた。
「雰囲気、ですか」
「少しね。どうしてだろう」
 敬語なのはいつもどおり、ちょっとばかり突飛な行動をとることも時々はある。後で聞けば、忍術を会得しようとしたのだとか答えていた。
「雰囲気…その場所やそこにいる人々が自然に作り出す気分」
「えっ?」
「いえ、ここでは、ある人が周囲に感じさせる特別な気分のことを指してますよね」
 突然、辞書を読み上げるような反応を示すイワンを見つめ、キースは瞳を瞬いた。
「ええと…ああ、そうだね」
 イワンはゆっくりとうなずく。
「頭の重さは成人で約五キログラムと言われています」
「うん?」
「二足歩行をしている以上、四本足の動物とは異なる独自の姿勢が人間には必要です」
 今度は何かの豆知識なのか。キースは傾聴する。
「人間を真横から見たとき、耳・肩・股関節が一直線上にあるとき、体の重心は効率よく保たれています」
 キースはいつの間にか斜めになってしまった体を正し、背筋を伸ばしてみる。確かにイワンの言うとおりだ。背中や腹筋を使わなくてはいけないが、この姿勢なら肩や腰に負担が少ない。
「イワンは、違う……僕は普段、効率の悪い姿勢を取っています。耳が前に出て、肩が後ろに下がって……」
 そう言いながらイワンの頭がゆっくり前に押し出され、反対に肩は後ろに引かれてすぼめられてゆく。
「腹部も前に突き出されて、臀部が後ろに位置を取って…これを猫背と呼びますね」
 さっきよりは少し二人から離れたが、まだ足元から見上げている猫とイワンは視線を合わせた。
 確かに今のイワンは、いつもの見慣れた姿勢になった。しかし、いやだからこそ雰囲気の違いが嫌でも感じられる。《イワン・カレリン》の物真似をしている誰か、のようなのだ。いや、それよりも。
「――何か困ったことがあるのかい? そうなら、私に聞かせてくれないだろうか」
 今朝のイワンの様子はやはり変だ。何から何まで普通ではない。しかし、そんなものは些末なことだ。
 イワンは困った状況にあるのではないかとキースが判断したのはただ一点、イワンの瞳が翳っているように感じられたからだ。
「――キース・グッドマン」
 うつむいたまま、イワンがそうつぶやいた。
「はい……」
 思わずキースは姿勢を正して返事をしてしまう。
「すみません。ええと、その…キースさん」
 今朝顔を合わせてから初めての、いつものイワンらしい口調だ。
「イワン、いえ…僕は、いつもあなたを本当に信頼に足る人物だと考えてきました。理由は一言では言えませんし、時間がかかるので割愛させて下さい。そして、あなたに協力をお願いしたいんです」
「せっ、説明なんていらないよ! そして不要だ! その言葉を聞けただけで嬉しい! とてもね! いいとも、何でも言ってみてくれるかな!」
 キースは顔を輝かせて告げた。
 その後に続く言葉が、まさかそんなとんでもないものだとは想像もせずに。
 イワンはぎこちない笑顔を浮かべると、こう言った。
「僕、イワン・カレリンは宇宙人なんです」








……ギャグマンガなら登場させられるけど、わたしの本に登場させることは
 不可能なのかと憧れ続けてきた《裸エプロン》シーンも作りましたっ。







 トレイに耐熱グラスを載せてリビングへ運ぶ。テーブルにグラスを並べるキースの背後から声がかかった。
「お風呂と服、ありがとうございました」
「よく温まったかい? さあ、これを飲――」
 喋りかけていたキースの顎がカクン、と落ちる。グラスをテーブルに置いた後だったのが幸いした。そうでなければ、手から滑ったグラスが床で割れていただろう。
 キースを思考停止にしたのはイワンの出で立ちだ。全裸でもこんなにキースを驚かせはしなかっただろう。イワンは裸の上に一枚だけ衣服とも呼べないようなものを身につけていた。今朝、キースがバスルームのそばに放り出してそのままになっていた一枚のエプロンだ。
 いわゆる《裸エプロン》状態のイワンは自分の首から下を首を折るようにして眺めている。
「違いましたか? イワンもこれに似た衣類を持っているので」
「今着ているエプロンは服の上から身に着けるものだ! Tシャツやジャージが置いてあっただろう?!」
 まぁ恋人どうしのアトラクションとしてそういう恰好をする人もいるらしいが、そんな説明は混乱を招く。
「いえ、下着です。フンドシとかいう…通気性に優れたところが似ています」
 フンドシ……イワンが見せてくれた古い日本文化の図録にあった。あの、布を巻きつけただけのTバックショーツのようなアレを彼も持っていて、身に着けたりするというのか。古い時代の平面的な絵を見ただけなので、アレはどうやって脱ぎ着するのか想像がつかない。いつどんなときにアレを…いや、今はイワンの普段の下着について思いを馳せていい状況ではなかった。
「湯冷めしてしまうから、着替えて来――ダメだ! ストップ!!」
 キースは叫んだ。うなずいて踵を返したイワンの、背には何の覆いもなかった。首の後ろとウエストに細い紐があるだけで、色の白い背中やヒップ、形のいい脚が湯に浸かってほんのりピンクがかっているのがキースの目に飛び込んできたのだった。
「歩き回ってはもっと冷えてしまう! ソファに座ってこれを飲んでいたほうがいい! 服は私が!」







……らぶらぶもしてます。








「近い、ですけど…嫌じゃないので……」
「……イワンくん」
 イワンの頬は薄っすらと上気していた。バスタブで温まったせいでもホットレモネードの湯気のせいでもないだろう。キースは彼の手の中からグラスを取り除けた。後ろに腕を伸ばしてテーブルの上に置く。目の前のイワンから目を離したくなかった。向かい合うイワンは対照的に、瞼をゆっくりと降ろしていく。
 もう一度、キースはささやきレベルの声でイワンの名を呼んだ。返ってきたのは、ほとんど吐息のボリュームの「はい」という返事だった。
 風呂上りのイワンはキースの部屋着を借りてソファの中にいる。二人が親しいからそうしているのではない。それは錯覚だ。アクシデントのせいなのだ。二人は想いを告げあったばかりで、さほど親しいわけじゃない。
 今ここにイワンがいるのは、非常時だからだ。街の危機についてキースは思い出そうとする。けれど、実感はない。目の前にいるのは、瞼を下ろして唇を薄く開けたイワンだ。キースが好きだと告げたら、彼も同じ気持ちだと教えてくれた。そのイワンがそこにいる。
 キースは肩に置いていた手を肘まで滑らせる。そして、イワンの唇に自分の唇をそっと重ねた。
 レモネードに潤されたイワンの唇はしっとりしていた。そう感じるということは、自分のほうの唇はかさついているのかもしれないとキースは申し訳なく思う。
 軽く触れて、すぐに離す。緊張を滲ませたイワンが肩で呼吸しているのが見えた。
 キースは一度立ち上がり、ソファに、イワンの隣に腰を下ろした。何か気の利いたことを言おうとして、何も思いつかない。息を吸い込んだ。磁石が引き合うみたいに唇と唇が近づいていく。
 イワンの唇は薄く開かれていたが、その奥の歯列はきっちりと閉じられていた。それを知ったのはキースが舌を伸ばしたからで、唇の隙間を他人の舌先につつかれたイワンはぴくりと肩を揺らす。
 キースが首を伸ばして唇を押しつければ、イワンも遅れて同じことをしようとする。二対の唇が深く噛みあわせられ、どちらのものともつかない息が漏れた。
 イワンの首の後ろにキースは手を添えた。手のひらに頭の重みを預けるようにイワンの顎が上がる。キスは唇をはみ出そうとしていた。イワンの下唇をキースは上下の唇で抓んでわずかに引っ張るようにする。開かされた唇からむずがるような吐息が聞こえた。
 キースは首を折り、唇はさらに下へと移った。下唇の下にある窪みを舌先はノックした。髭を剃る必要もなさそうなつるりとした肌だ。その滑らかさに思わず唇をすぼめて吸いつくようにしてしまう。



(…などなど。)

(よろしくお願いします!)

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Posted on 2013/12/15 Sun. 11:30 [edit]

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